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◆「パッケージソフトと自社開発」」のメリット・デメリットは?

企業システム戦略

◆「パッケージソフトと自社開発」買うべきか、造るべきか、それが問題だ
 自社の業務システム構築には、「早くて、安い」パッケージソフトを買うべきか、業者に依頼して「じっくり、お金をかけて」自社開発するべきか、大いに悩むところだ。

 ところで、あなたは、建売住宅を買うか、注文住宅を建てるか?「買うか、建てるか」それが問題だ!私達には、ゼロから建築士とひざを突き合わせて間取り・建材を詳細に詰めていく、時間・費用・根気・知識は無かった。かといって、建売住宅に生活スタイルを合わせられるほどの割り切りもできなかったのだ。さらに、当時の建売住宅は、欠陥住宅の温床のように言われていた。内部構造や建材がブラックボックスであり、心理的にも、実質的にも手抜き工事が発生しやすいのである。一方で、建売住宅には、実際に家の間取りや家具の配置などを、実物を前に確認できるというメリットもある。注文住宅では、設計図を頼りにイメージしていくしかないが、これが素人には難しい。

 そこで、私と家内は、建売住宅と注文住宅の、良いとこ取り作戦をとった。それは、数十種類の基本の間取りが決まっている規格住宅から、もっとも希望に近い間取りのものを選び、それに設計変更料(建築士に設計を依頼する場合の1/10程度)を払って希望の間取りとしたのである。また、その業者が建てた似た間取りの家に住む顧客を紹介してもらい、見学し、実際に家具を配置した感触、生活観などを事前確認した。同様に、3D間取りソフトのウォークイン機能(実際に家の中を歩いているような映像を映し出し、内部の様子や移動線をシミュレーションする)でも事前確認した。結果として、「早く、安く、一定の品質が保証された」希望どおりの家を手にすることができた。

 実は、システム構築は、建築と似たところがあり、これと同じ方法がとれる。ポイントは、システム化対象業務が特異でなく、一般的な業務と共通点が多いこと(家の例では、あまりにも変形土地や狭小土地では、規格住宅がそもそも入らない)。その基本のシステム機能に対し、家の間取りにあたる、データベースのキー項目や画面などの追加・削除、構成変更ができるような規格品を見つけることだ。さらに、ソースコードを入手できれば理想的である。

 これに近いのが、マイクロソフト社のAccessである。付属のテンプレートには、そのまま使える顧客管理システムや在庫管理システムなどがあり、ソースコードも提供されている。また、あなたが、他社の購買管理システムと、それを構築した業者を知っているなら、その業者に依頼してみてもいい。おそらく、他社のシステムで作ったプログラムを一部流用するなどしてコストダウン・品質を確保することができるかもしれない。

 一方で、著名な海外製ERPパッケージでは、在庫データベースのキー(識別子)が、部品マスタと1対1の部品番号のため、複数地点での倉庫毎、あるいは、輸入品(ドル建)/国産品(円建)毎、で在庫を管理することができなかった。これを管理可能なように、データベースのキーを変更すると膨大な改修費用が必要となる上、今後のバージョンアップにも対応できなくなるため、採用を見送ったこともある。

ERPは、システム的には、一元化データベース中心の設計であるため、データベースのキー項目が何かを調べれば、情報を管理できるメッシュ(粗さ)が分かる。この情報の管理の粗さこそが重要であり、ここをパッケージに合わせられるか否かが採用の決め手となる。表面的な画面の機能などは、一見マッチするように見えても、データベースのキーが合わないと、既存のデータが移行できないとか、従前のきめ細かい管理ができなくなるなどの不具合が発生する。ちなみに海外では、円建で材料を購入することは無いので、同一材料で円建とドル建の管理は不可能である。同様に、在庫単位もフィートとセンチメートルを同時に管理できない。

 くれぐれも、「自由設計」を謡いながら壁のクロスや装備品程度を選択できるくらいで、ちょっとした間取り変更でも、多額の設計料や改造料を要求するような業者には、ご注意いただきたい。例えば、高生産性・高柔軟性をうたい文句に、パッケージソフトやソフトウェア部品を利用してシステム構築を請負う大手業者なども存在するが、そのパッケージや部品は、あなたにとってはブラックBOXだ。業務変更に合わせて、システムを改良したくても手も足もでない。結局、その業者に依頼せざるおえなくなってしまう。

 そして、高生産性・高柔軟性は、得てして業者の利益率向上には寄与するが、契約金額・納期・仕様変更容易性などには反映されないことも多々ある。あなたが、生涯生活(業務)スタイルを大きく変えないという割り切りで、「早く、安い」建売住宅を、主体性を持って選んだとしても、それはそれで良い。むしろ、経営環境に合わせて、業務スタイルを変えていかなければならないような核の部分に、目先のお手軽さにまどわされて、ブラックボックスを抱え込み、それが経営の足かせになることが恐ろしいのだ。

 なお、自動車を注文生産する人は、ほとんどいない。自動車は、壊れたり、古くなったりしたら、新しく買い換えるのが一般的だからだ。どんなに、高価な自動車でも一生同じ自動車に乗る人は少ない。新型車に買い換えることで、新しい装備やスタイルを楽しむことが出来る。また、自動車によって生活スタイルを拘束されることもない。

 このように、その基本機能が決まっており、新しく買い換えることで、追加の機能や使いやすさを手に入れることができ、使い方の自由度が大きいものは、買ったほうが良い。例えば、ワープロソフトやCADソフトなど、いわゆるツール系のパッケージソフトである。

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