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◆「レガシ・システム」を再構築する時の注意事項は?

企業システム戦略

◆「レガシ・システム」は負の遺産か?
 IT業界やマスコミでは、既存の業務システムを「レガシ・システム」と称して、過去のしがらみに縛られた、古いシステムであり、早急に最新のIT技術を導入したり、ERPパッケージで置き換えたりしないと会社の経営が危うくなるなどと危機感を煽っている。いわゆる2025年の崖だ。

 著者の担当した生産管理システムも、構築後20年、ホスト中心である。しかし、Web対応やEDIに対応している。そこらのパッケージにはない、高度な業務アイデアが随所に盛り込まれている。これを、「レガシ・システム」と称して、やっかいもの扱いするつもりは毛頭ない。

 私は、レガシ・システムは、やはり正に「遺産」であり、適切に維持管理し、悪いところや古いところは修繕して、最善の状態で末代まで継承すべき「財産」だと思っている。決して、簡単に捨てられるような、捨ててよいような「負の遺産」とは思っていない。会社にとって、それは正しく長年蓄積した業務ノウハウの塊なのである。製造業で言えば、工場の建屋や設備と同じである。おいそれと、スクラップにはできないのである。確かに、古いシステムは複雑化・老朽化している部分もある、しかし、それはシステム屋が勝手にそうしたのでなく、業務が複雑になった結果なのである。

 それを、忘れて設備だけをホストからサーバへ移行すればレガシから開放されるとか、ERPパッケージを導入すれば最新式のITになるとかいうIT業者は眉唾である。これらは、いずれもIT業者が儲けるための広告色が強い。小説「チェンジザ・ルール」にあるように、ERPの中身が、すでに迷路の状態なのである。プログラムの複雑な迷路化は、ソフト工学の構造的な問題であるからERPとて例外ではない。そこで、ユーザ企業がIT活用で儲けるためにはまず、行うべきは複雑な迷路化した業務の抜本的見直しである。『捨てる技術』という本があるが、自社の強み/弱みを見極めて、不要な業務は思い切って捨てることである。

 次に、コンピュータ上にあるシステムをどうするのかを考える。要素は、プログラムとデータである。プログラムの中で重要なのは、業務ロジックである。そして、データである。この中で、自社の強みは決して捨ててはならない。むしろ、そのまま継続して使うべき部分である。パッケージによるリプレイスで、いざ本番稼動した後これまで可能であった強みである業務プロセスやデータが欠落して、稼動をあきらめたケースもある。

 最後に(複雑な迷路)プログラムの整理であるが、これは機械的に整然としたコードに自動変換してくれる技術がある。また、レガシシステムをWeb化させるミドルウェアなども多数存在する。さらには、既存システムと最新ITを連携させる技術なども出てきている。必要十分な部分だけを、最小の投資で、最新のIT技術で刷新すればよい。  

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