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◆トップのリーダーシップなど組織的リスクとは?

プロジェクト管理

◆組織的リスク
 システム構築において、システムとの関わりを持つ組織を切り離して考えることはできない。目的やビジョンの策定に始まり、要件定義や要求仕様の作成、運用試験、実用展開とあらゆる段階において、組織的なリスクが存在する。ITのあるべき姿に組織を導く能力を、ITガバナンスという。近年、ITガバナンスは組織経営においてコーポレートガバンスの一部として重要視されるようになっている。

 システム構築の目的やビジョンを明確に定義し、それを関係者に周知するにあたり、経営者がリーダシップを発揮することができる組織であるか。要件定義以降の運用試験、実用展開まで、先頭に立って活躍すべきキーマンを選出し、システム構築にあたらせることができるだけの組織力があるか。システムの運用に伴う業務上の変革などを受け入れる柔軟性が組織に備わっているか。利害関係者が協調して前向きにものごとを進めて行くことができるか。いずれの場合にも、組織力の在る無しが、システム構築~実用までの成功を左右するケースも少なくない。

 全体最適を目指してシステム構築プロジェクトを立ち上げたのはよいが、プロジェクトリーダに、リーダシップもなく、経営者のバックアップもない。メンバは、それぞれが自分の業務や既存の組織に固執し、結局、小規模改善の寄せ集めになってしまうことも。あるいは、利害関係者が対立しシステムの運用が頓挫してしまい、使われないシステムになってしまう、最悪、反対勢力がシステムや業務を妨害するなど。

 組織的リスクの存在は、システム構築以前の問題でもある。もし、組織的リスクが大きいならば、あまり大上段に業務改革とか、全体最適化などを目指してシステム構築を始めないほうが良い。「船頭多くして舟、山に登る」「同床異夢」となるのは必至だ。まずは、身近な業務の効率化など、できるだけ小さい組織だけでクローズするようなシステム構築から手がけるのが良い。全体を個別に最適化するようなムダな投資をするくらいなら、焦点を絞って、徹底的に個別最適化を図ったほうが、かえって全体最適になる。

 それでも、閉塞感が漂い、なんとかしたいという雰囲気が感じられたときが改革のチャンスだ。その時に、社内に先頭を走る人材がいなければ、外部のコンサルタントなどをカンフル剤として入れるのも良い。あるいは、リスクを承知の上で、先に業務パッケージなどでシステムを入れ替えてしまって、強制的に業務改革を断行するという荒療治も考えられる。

 ただし、その場合には、火の粉を一身に被っても貫徹できるだけのリーダシップと信念覚悟が経営者と推進チームに要求される。ここまでくれば、もう理屈ではなく、信じてついて来い!の世界だ。ただじっとして自然死を待つか、やるだけやって玉砕するか、九死に一生を得るか。それでも、体力のあるうちに行動を起こさないと、瀕死の体には大規模な手術は命取りになるので、タイミングを逃してはならない。それとも、気長に対処療法を選択すべきか。有識者に助言を求めたとしても、組織の体力や文化、素養を見極め、最終的な決断を下すことは、他の誰にも肩代わりできない経営者の仕事であろう。途中で、現場からの突き上げにたじろいで、現行の業務に合わせる様にシステムを改造するように方向転換するくらいなら、組織的リスクが緩和されるまで、業務パッケージの導入による業務改革は見合わせたほうが良い。最小の投資で、最大の成果をあげるシステム構築では、組織力を問われる。それゆえ、最近はITガバナンスの確立が重要かつ急務の課題とされている。 

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