◆ナレッジマネジメント、それ以前の問題
社員のもつ、さまざまなノウハウを共有化し、新しい製品開発や売上増加などに結びつける経営手法として、ナレッジマネジメントが世に出てから久しい。私は、ナレッジマネジメントを否定するつもりはないが、取扱説明書を読まない、家族や友人と情報交換しないという人に、ナレッジマネジメント用に高価なITツールを与えても、すぐに知識の共有が起こり、画期的なアイデアが生まれるというものではないと訴えたい。
特に小規模な組織では、お茶室に「作業日誌」でも置いて、皆でそれに、何でも気付いたことを書き込み、読みあうだけでも、有効な知識共有が図れれば立派なナレッジマネジメントだと思う。もし日誌が1冊埋まったら、次にこれをデータベース化して探しやすくすることを考える。同じような書き込み内容から、経験則や一般則を探し出して、皆で活用する。
逆に、そこに誰も何も書き込まないようであれば、まずは、そこに知恵を絞ってはいかがだろう。例えば、A、B、Cランク付けして、書き込み1件当りいくらで奨励金を出す。情報活用により、売上増加や新製品開発など成果に結びついた場合は、情報提供者に報奨金を出す。逆に、無関心を決め込む人にはペナルティを与える。
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