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◆要件定義の取り違えなど認識的リスクとは?

プロジェクト管理

◆認識的リスク
 もっとも多いのが、この認識的リスクだ。システム構築は、認識に始まり認識に終わる。いろんな段階で、認識を誤る、勘違いするというリスクがある。目的を誤認する。要件を誤認する。要求事項を誤認する。伝える相手を誤認する。聞く相手を誤認する。進捗状況を誤認する。問題の本質を誤認する。これは、システム構築が人の認識の上に成り立つものであり、形を成さないという本質的な宿命を負っていることによるものである。

 そもそもの目的を誤認しているのでは、それ以降の認識が正しいか否かを議論しても意味が無い。まさかと思われるような目的の誤認が、このシステム構築では起こりえる。それは、ハードウェアのように目的物の最終的なイメージを形で表現することができないためである。例えば、顧客管理システムといっても、その思い描く目的は10人10色。誰もが認識できるような形として表現することはできない

 例え、オブジェクト指向であっても解決できない領域のリスクが存在する。そこで、早期に誤認を発見し、見当違いのシステムが構築されるのを防ぐには、誰もがわかる地図を用意する事と、適切なチェックポイントで、それまでに通過した道と進行方向が正しい事を確認しながら進むしかない。地図とは、バランススコアカード経営戦略、業務モデルや業務フローなど、人の思考を表現するものならなんでも良いが、関係者全員が5W2Hに沿って、情報の流れを認識できること、シンプルな表記法であることがミソである。

 また、誤認を起こさないためには『聞き間違いは、言う側の恥』という諺を、関係者全員が肝に銘じておくことも重要だ。特に、システム構築を依頼した業者の知識をあてにして、「暗黙の了解」や「1を聞いて10を知る」のようなスタイルでは、誤認のリスクが高くなる。結局、思ってもいないようなシステムが構築されてしまい、痛い目に合うのは誰か

 もし、誤認を発見したら、徹底的に議論する。何故?を5回繰り返して、問題の本質を抉り出す。そうすることが一見回り道で時間がかかるようだが、関係者全員のベクトルが一致すれば、チームは自然と良い方向へ向かう。逆に、目先のコスト・時間を惜しんで、誤認を放置すれば、後になればなるほど、その悪影響は計り知れないものとなって襲いかかってくる。世のシステム構築の70%が、所期目的や要件の誤認によってコスト2倍、期間2倍の失敗に終わり、中には中途挫折して水泡と帰してしまう例も少なくない。システム構築において、認識的リスクは、危険度最大級のリスクなのだ。  

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