◆分かりやすい表現
いくら質の高い仕様書であっても、そもそも分かり難ければしかたがない。特に、ソフトウェア開発においては、「分かりやすさ」ということが重要である。分かりやすいビジョン、分かりやすい要件定義書、分かりやすい仕様書、これらがそろってこそ、「早く、安く」分かりやすいソフトウェアを開発することができる。分かりやすいソフトウェアは、保守費用も安く、環境変化にも柔軟、かつ迅速に対応できる。
それでは、システム仕様書における、分かりやすい表現とは、どんなものであるか。これも、やはり基本は「読み・書き・そろばん」を、5W2Hで整理することから始まる。さらに、読み手のことを考えた配慮が必要である。
・「まず、相手を理解し、自分を理解してもらい、相手に動いてもらう」
読み手の前提知識や経験に配慮してない、不親切な仕様書は、理解できない。
あなたの常識は、あいての非常識かもしれない。
いつから、そんな大前提があったか。それは、あなただけのものか。
・「書いてあるはず、言ったはず、分かるだろう」は麗しき誤解。
相手が理解できていなければ、動いてもらえず、正しい結果も得られない。
不親切な仕様書には、不出来なソフトウェアが返ってくる。
・「専門用語や同音異議語、異音同義語」を無造作に使用していないか。
突然現れる専門用語は、周囲に記述されていることを闇に葬り、深い森に追いやってし
まう。同じ意味であるのに、違う単語を用いるのも同罪。意味が異なるのに、同じ単語
を用いるなど混乱させたいのではないかと、悪意さえ感じられる。
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