◆進捗状況をタイムリーかつ正確に把握するには?

システム開発

◆悪い知らせを聞く
 人間誰しも悪い知らせは聞きたくないものだ。また、悪い知らせを持ってきた人間にあたったりする。しかし、それでは問題が発生しているのに、真の状況が隠され、「問題ありません。なんとかします。」という報告ばかりを受けることになる。これでは、リスクを早期に発見し、対策を講じることなどできない。「良い知らせ」と「悪い知らせ」があった場合は、まず、良い知らせを先に聞くようにするとよい。悪い知らせを聞いて落ち込んだ後に、良い知らせを聞いても嬉しくない。報告するほうも良い知らせを先にしたほうが、悪い知らせを報告しやすいだろう。「ほめてから、しかる」と、苦言も受け入れられ安いのと同じだ。

 とかく悪い知らせというのは、届きにくいものだ。担当者も、ギリギリまでなんとかしようともがき、最後の最後になって、実は...と切り出してくることが多い。まじめで努力家ほど、この傾向にあるので余計にやっかいだ。悪い知らせを早めに出して助けを請えば、結構、助け舟が出たりするものであるがまじめ・きまじめさが邪魔をするのか、なかなか切り出してこない。また、業者としては、早くから遅れそうだと手をあげて、余計な詮索やチャチャを入れられたくないという思いもあろう。

 このような状況を打開し、風通しを良くするには、発注者である側が「気を使わなければならない!」なんで、発注者(顧客)が気を使わなければならないと思われる方も多かろうが、先に述べたように、システム構築というのは、すべからく「人」「人」「人」である。したがって、人はメンタルな面に左右されやすい。プロジェクトをスムーズに進めたいのであれば、業者側のプロジェクトリーダにその気になってもらわなければならない。「俺は客だ!」とふんぞり返ったところで、仕事は進まない。業者も含めた、チームビルディングを考えなければならない。

 業者側のリーダクラスが、打ち解けて何でも相談して来るようになれば、悪い知らせを先(早め)に聞くこともできる。業者側にマネージャには言えないような事でも、どうしましょうと相談を持ちかけられればしめたものだ。業者側で、プロジェクトが頓挫している場合も、話を聞いて見ると要求事項を満足するために、技術的に困難な課題が出てきたりしてしるケースもある。そのような場合、利用者と調整し、要求事項を緩やかなものに変えることで、課題が解決できることもある。

 業者側の技術者は、契約している以上、要求仕様書を忠実に実現しようとして、ムダな時間を浪費していることも多い。また、要員不足となっているにもかかわらず、業者側のリーダが上司に言い出せずに一人で抱え込んでいる場合もある。そういった場合も、状況を早めにつかめば、顧客として業者の上司に要員の増強を要請することもできる。

 いずれにしても、納期間際に「遅れます!」と突然言われて、あたふたしても始まらない。悪い知らせに耳を澄まし、早め々に対策を業者と共に考えることで、納期遅れによるムダな時間・コストを防止するようにしたい。業者に対しても相応な配慮をし、なんでも状況をオープンにさせるように仕向けることが肝要だ。

■目次:システム開発する前に知っておくべきこと83項目

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