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◆IT導入の基本的な考え方は?

企業システム戦略

◆ITの本質
 近年、IT(情報技術)という言葉が、さかんに使われるようになった。そして、いろいろな場面でITを活用することで、さも、さまざまな経営課題が解決できるかのように言われている。むしろ、ITを使わなければ、時代からとりのこされるかのようなことまで言われてきた。

 かつて、コンピュータが企業に入り込み、いろいろな場面で活用されるにつれて、コンピュータは、なんでも問題を解決できる魔法の道具のように言われたことがあった。これは、現代のITに対する捕らえ方と同じである。一体何が変わったのだろうか。実は、本質的なところは何も変わっていないのである。

 何故なら、人間の情報処理という営み自体が何も変わっていないからである。情報処理の本質は、入力・処理・出力である。なんのことはない、大昔から人間の知的活動の基本とされている、いわゆる「読み(入力)・書き(出力)・そろばん(処理)」である。そもそも、コンピュータが、この人間の知的活動を模擬して作られた機械であるから、あたり まえといえば、あたりまえである。が、最近の業者やマスコミが繰り出す、複雑怪奇な専門用語に目がくらみ、ITの本質を見失って、迷走していることが多いように思う。本質を知ってみれば、なにも難しいことなどない。

コンピュータ側の専門用語や、実現方法(How)は、業者に任せておけばよい。あくまで、ユーザが考えるべきは、どんな「読み・書き・そろばん」(WHAT)を、コンピュータという機械にさせるかに尽きる。 さて、この「読み・書き・そろばん」中で、特に「書き」(出力)が重要である。出力 は、製品であり、行動である。どんな製品を造るのか、その製品で、どんな経営をしていくのか、どんな行動を起こして、どんな社会貢献をしていくのか、ここに最も時間をかけて考えなければならない。そして、製品が決まったら、それを造るために、どんな加工(処理)をすれば良いのか、その処理には、どんな入力(材料)を必要とするのかを、遡っ て考える。

 最終的な製品(出力)を得るのに必要のない処理や入力は、ムダである。現実の業務を忠実にIT化しても、そこにはムダが沢山ある。ムダな入力は、人件費のムダにつながる。処理のムダは、設備投資のムダにつながるのである。

 コンピュータあるいは、ITは、この情報処理(入力・処理・出力)を代行、あるいは補助する技術であり、安価かつ容易に、量・時間・距離といった制約を超えて処理することが出来る。ITとは、たったこれだけのことである。この特性を利用して、情報(出力)をいかに仕事に役立てるのか、それは使う人間が考えることであり、ITに、それを求め てもしかたがない。

 では、最近のITは何が変わったのか。それは、経営環境の変化にともない、必要とする出力(情報)の質・量・タイミングが変わってきたのである。例えば、かつては、社内の伝票処理の効率化において、必要な出力は、計算された伝票であった。しかし、会社間での伝票処理を効率化し、スピードアップを図るためには、伝票ではなく、電子データが必要とされるようになった。さらに、その電子データは、少量多品種生産により、より大量かつ、頻繁にリアルタイムで必要とされるようになった。

 しかし、この伝票にある情報自体は、変わっていないこともある。したがって、この情報の質・量・タイミングを変えることで、経営のやり方を変えようという発想が無ければ、あるいは、逆に、経営からの要求が無いのであれば、最新のITを導入する必要はないと言える。

 このITの本質を良く理解し、あなたが考える経営戦略にとって、どのような情報(出力)が、どれくらい、いつ、どこで、どんな形で、必要なのかを見極めることが重要であり、それには、特別なIT知識は必要なく、また、流行の3文字略語や、ITツールを追い駆けることではない。

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