余裕をもって戦うには、優位なポジションを確保すること

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●企業システム戦略　五輪書　火之巻　場の次第という事
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「場の位(位置取り)を見分けるのに、その場において『日を背負う」、つまり、太陽を背にして構えるということがある。もし、場所によって太陽を背にすることができないときは、右脇に太陽がくるようにするとよい。

屋内の座敷でも明るい方を背にし右脇にする。夜も、敵の見える所では、火を背にし灯りを右脇にする。後方のスペースが詰まらないようにし、左側のスペースを広く、右脇のスペースを詰めて構えるようにする。

「敵を見下ろす」とは、少しでも高い所に構えるようにすること。屋内の座敷では、上座を高い所と考える。

さて、戦いになり、敵を追い廻す場合、自分の左側へ追い廻す感じで、難所が敵の後にくるようにし、あらゆるケースで難所へ追い込むことが肝要である。

難所で「敵に場を見せず」というのは、敵に周りを見て場の良否を考える余裕を与えず必死になるよう、攻め込むという意味である。

屋内の座敷でも、敷居・鴨居・戸障子・縁・柱などの方へ追い詰める場合にも、同様に「場を見せず」とする。

どんな時も足場の悪い所、脇に障害物のある所へと敵を追い込み、場の優位性を活かし位置取りで勝ちを得ることに専念せよ。」

「場の次第」というのは、ポジショニングのことですね。

火之巻で最初に、ポジションニングのことがあるのは、やはり戦いで勝つには、古今東西、ポジショニングが重要な因子のようです。

太陽や明かりを背後や右脇にするとか、スペースの確保の仕方、高い位置取りなど、ポジショニングを考える上でのポイントです。

例えば、大きな力をバックにするとか、追い詰められないように後方や脇に余地を残しておくとか。その上で、相手を不利な場所に追い込んで、逃げ場所を考える余裕も与えずに攻め込みます。

いずれにしても、ポジショニングを良く分析して、優位な位置取りをすることができれば、余裕を持って、戦いの主導権を握ることができます。

そのような場合、システムは非常に安定し、ロスもありません。

逆にポジショニングが悪いと、常に苦しい立場で余裕の無い戦いをしいられることになり、システムは不安定でロスの大きいものとなります。

自社・自部門の企業システムにとって、太陽は何で、どこにあるか、難所はどこか、スペースをどこに、どれだけ確保しておくべきか、高所はどこか、相手をどこへ追い込むのかなどなど、今一度、ポジショニングを分析してみては、いかがでしょう。