よく道具も人も使い方しだいと言われます。古いシステムなど価値を失ったものを蘇生し、新たな価値を与えることができれば、より少ないリソースで大きなリターンを得ることができます。そのためには、どの部分に新たな価値を与えることができるか、どうしたら新たな価値を与えることができるかを工夫する必要があります。これは、単に新しいものを創り出すより難しい面があります。
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●企業システム戦略 兵法三十六計 攻戦の計 第十四計 借屍還魂
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借屍還魂(しゃくしかんこん) 「屍を借りて魂を還す」
亡国の復興などすでに「死んでいるもの」を持ち出して大義名分にする計略。
または、他人の大義名分に便乗して自らの目的を達成する計略。
さらに、敵を滅ぼして我が物としたものを大いに活用してゆく計略も指す。
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
一見、価値がなくなったものでも、使い方によっては役に立つものです。
これを、リユースといいますね。
廃材を使った、様々なものが創られています。我が家にもダンボールや牛乳パックで造ったおもちゃや机、足ふみなどが在ります。
ところで、ジンザイには、4つあるそうです。
人材、人財、人在、人罪。
・人材は、普通の人で、リソースとして取替え可能。
・人財は、人的な財産。
・人在は、在籍しているだけの人。
・人罪は、存在が罪になる人。
我が社には、人財がいないと嘆く前に、いかに、人材、人在、人罪を人財にするか。使い方しだいということでしょう。それぞれに、ミッションを持たせて、責任と権限を与えてみましょう。少子高齢化に伴い、シニア人在をリスキリングで人財とし、活用する戦略もこれから重要になります。
情報システムでは、レガシです。
一時期、レガシは捨てて、新しく作り直さなければ大変なことになるといった風潮もありました。しかし、今は、レガシを如何に蘇生させるかということが主流になっています。
◆大規模な投資は不要?“ 実利重視”でビジネス・プロセス改善に取り組む米国企業
「何にでも新しい技術を適用しなければならないわけではない。時には、新たな工夫によって古いシステムを生かすことが理にかなっている場合もある」
そのためには、使えるところと使えないところの切り分けが大切です。なんでもかんでも真新しくせずに、都市計画やリフォームのように、ちゃんと使える部分は残して再利用するのです。
そして、新旧をバランスよく、違和感無く融合させ、全体としては、まったく新しい価値を生み出すのです。それができる人が、プロフェッショナルな人です。
そういった見極めができない似非システム屋が、すぐに”スクラップ&ビルド”したがります。よくよく聴いてみると、既存のアーキテクチャを読み解く能力が無いか、面倒くさいのが理由だったりします。
こんなシステム屋にかかったら、情報システムだけでなく、既存の組織や内部統制、組織文化なども、全て破壊されてしまいます。それで、いままで以上の素晴らしい企業システムになれば、まだ救われますが、実際は、表向きだけ新しくなっても、中身はスカスカで、今までできていたことが、できなくなってしまうようなそんなシロモノしかできないのです。
”温故知新”を軽んじる者が、プロフェッショナルな仕事などできるはずがありません。
単に、新しいものや好き勝手にやることをクリエイティビティだと勘違いしているに過ぎません。そうなってから、それまでの貴重な財産(レガシ)である組織文化や内部統制(コントロール)やコアコンピタンスが失われたと気づいても、取り戻すのは困難です。
それこそ、人罪ですね。
このような財産は、長年をかけて企業システムの基盤となっているため、空気のように外部からきたシステム屋には、見えないことが多いのです。
我が社のシステム部門は保守的でダメだと洗脳され、システム部門抜きで進めたERPプロジェクトなどがこのような失敗に見舞われているケースが多いようです。
確かにシステム部門は保守的かもしれませんが、全ての利害関係者を巻き込んで、いろいろな意見を聴き、新旧を融合させ、最適解を考案できるのが、プロフェショナルです。
最新の道具やリソースを使えば、誰でもそれなりに成果は出せるものです。
”もう使えない、捨てるしかない” そこから蘇生して、新しい価値を生み出せるのがプロフェッショナルです。
プロかどうかは、問題解決に際し、借屍還魂ができるか、それとも、最新のソリューションしかない!と言うかで簡単に見分けられます。
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