先手を取る３パターンの方法

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●企業システム戦略　五輪書　火之巻　三つの先という事
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三つの先（せん）

一つ、自分から敵へかかっていく「懸（けん）の先」

一つ、敵の方からかかってくる「待（たい）の先」

一つ、こちらと敵と同時にかかる「体々（たいたい）の先」

どんな場合の戦いでも、最初はこの三つの先より外はない。

先の仕掛け方次第で勝つことを得るものであるから、兵法には先ということが重要である。

先（せん）とは、先手という意味です。先手を取れば、主導権を握って何事も有利に進められます。

それには、自分から仕掛けて先手を取る、相手から仕掛けてきた後で先手を取る、相手と自分と同時に仕掛けた時に先手を取る、の３パターンがあり、それ以外は無いというわけです。

「第一、懸（けん）の先。

・こちらから、静かにしていて突然素早く仕懸ける先。

・表面では強く早くするが、底を残す心の先。

・心をどれほど強くしていても足は平常より少し早い程度で敵の間際へ寄るやいなや、猛烈に攻めたてる先。

・心を開放して、初めから最後まで同じように、敵を圧倒する気持の、底まで強い心で出て勝つ。」

自分から仕掛けて先手を取る方法です。もっとも有利に事を進めることが出来る状況です。しかけて先手をとるには、スピード感が大切ですね。行くと決めたら、一気に行く。

企業システム戦略においても、まずは、この懸（けん）の先を第一に考えるのが良いと思います。

「第二、待（たい）の先。

・敵がかかってくる時、それには少しもかまわず弱きに見せ、敵が近づくと強く離れて、飛びつくように見せ、敵の攻撃の弛みを見て、一気に強く出て勝つ。

・敵が仕懸けてくる時、それよりも強く出て、その時に、敵の仕懸ける拍子が変化する瞬間をつき、
そのまま勝ちを得ること。」

相手から先に仕掛けられた時に、先手をとる方法です。懸（けん）の先で、仕掛けるタイミングを逸して、相手に先に仕掛けられた時には、一旦、後退すると見せて相手の気が弛んだ隙に、一気に切り返して先手を取るか、もしくは、相手よりも、さらに強く出て拍子が狂った瞬間をつき先手をとるのです。

こちらから先手を取るタイミングを逸した時は、ズルズルと後退するのは、良くありません。一旦、大きく離れて間合いを取ることが大切です。

企業システム戦略も、状況が悪くなった時には、経費などを少しずつ削減するよりは、一気に１／２とか大きく削減し建て直しを計るほうが良いのかもしれません。

「第三、体々（たいたい）の先。

・敵が早く仕懸けてくる場合、静かに強く応じ、敵が近づいたところ、思い切って敵の心の緩んだところを、一気に強く出て勝つ。

・敵が静かにかかってくる時、軽く浮いたように、敵より少し早くかかっていき、敵が近くなると、
ひと揉みして敵の様子に応じて、強く出て勝つ。」

相手も自分も同時に仕掛けた時に先手をとるのは、なかなか難しくここにかかれていることを頭で理解して実行するのは簡単では、なさそうです。

せめぎあいの中で、どのように先手を取るかは鍛錬と実践をこなして体得するしかないでしょうね。大切なのは、やはり相手の拍子をくずして、一気に強く出るというところでしょう。

この三つの先は、状況や利得に応じて行うので、必ずしも常に、自分から仕懸けるというわけにはいきませんが、まずは、自分から仕掛けて、相手を翻弄し勝ちを得たいものですね。