市場競争で相手の戦力を無効化するのは、一つの効果的な戦術

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●企業システム戦略　五輪書　水之巻　紅葉の打ちといふ事　
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「紅葉〔もみぢ〕の打ち、敵の太刀を打落し、太刀とりはなす心なり。

敵前に太刀を構へ、打たん、はらん、受けんと思ふ時、我打つ心は、無念無相の打ちにても、又石火の打ちにても、敵の太刀をつよく打ち、そのまま後をはねる心にて、切先下りに打てば、敵の太刀必ず落つるものなり。」

紅葉というのは、武蔵の言葉遊びだそうです。つまり、相手の太刀を、はらりと落とす。それを、紅葉に例えたそうな。

その実践的な技術を具体的に書いているわけですがいずれにしても市場競争で、相手の力を無効化するというのは、一つの効果的な戦術ですね。

しかも、相手に直接的な打撃を加えて叩きのめさないのでとても、平和的な戦術ですね。

武力を奪った後、止めを刺さなければ。。。

本当の戦争も、相手の町を破壊したり、人を傷つけたりせずに武力だけを無効化するようなことを考えられないものでしょうかね。

企業間の競争にしても、相手を完膚なきまでに叩いて、市場から排除してしまう一人勝ちを狙うよりも、脅威だけを取り除いて、市場での共存をはかるような企業が市民権を得ているような気がします。

これを勝ち組ではなく、価値組みと言うそうです。

また、直接的に相手を打つのを、商品戦略やサービスだとすれば、太刀を打つのは、生産能力や販売力などです。

これを、「能力構築競争」の中では、表層の競争力と深層の競争力と表現しています。

企業システムを企画する場合も、そのシステムが、どちらの競争力により影響を与えるのかを分類してみてはいかがでしょう。そうすることで、自社の競争力のバランスを取ることができます。

また、どちらの競争力を強化することに主眼が置かれているのかを明確にすることで、システム設計や運用・行動の方針が明確になり、迷走を防止することができます。

例えば、表層の競争力を強化するためにシステムを企画したのに、深層の競争力を強化する仕組みになってしまったり、運用方法を間違えて効果が思ったように出ず、目的を達成できなかったりというようなことが防止できます。

あるいは、

人材を適材適所に配置する場合にも、どちらに適している人材かをよく見きわめると共に、人材配置のバランスを取ることで、企業システムとしての競争力のバランスを取ることができます。

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