相手の身に成り代って考えてみるということ

美味しい水をお探しですか？
定額制だからお水は使い放題！全て“月額料金”にコミコミ！
利用料金は業界最安値！

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●企業システム戦略　五輪書　火之巻　敵に成るという事
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「敵に成るというのは、敵の身に成り代って考えてみるということ。

盗みなどして家の内へ立て籠るような者は、家の外からは非常に手強い敵に思えるのである。

しかし、一方で盗賊の身になって考えてみれば、世間の人を皆、敵だと思って、家の中に逃げ込み、立て籠っているのであり、どうにもならない進退窮まった気持なのである。

立て籠る者は、雉子であり、外から取り囲んで、打ち入る者は鷹なのである。

集団戦でも、敵ば強いものと思い込んで、大事にしすぎてしまうのである。

しかし、優秀な軍を率い、兵法の道理をよく知り、敵に勝つポイントを十分会得していれば、何も気遣いする必要はない。

一人対一人の戦いでも、敵の身になって考えてみるとよい。

兵法を良く心得て、道理がしっかりとしていて、その道の練達者である者にあったならば、必ず負けると思うものである。」

ステークホルダーの理解には「相手の身になって考えろ」とは、よく言われるところです。

景気や崩れを知ることで、有利に事を進めることができるのですが、それは、対象から離れたところから観ることによる分析です。

それとは逆に、相手の身になって、あるいは、相手の視点に立って、考えてみることで有利に事を進めることもできます。

対象から離れて分析的に観ても、なかなか見えてこないことが相手の身に成り代わって観ることで、分かることもあります。

「システムがどうあるべきか。」というような問題に対しても、実際にシステムを使う身になって考えてみることが必要です。

システムを使うのは、様々な利害関係者です。

それらの利害関係者の身になって、システムを観てみてはいかがでしょう。

システムを使うことで利を得る人もいれば、害（損）を被る人もいるでしょう。

万人に利をもたらすような、仏様のようなシステムは、そうそうできるわけではありません。

ところが、多くの場合、利を受ける人のことを考えてシステムを設計しても、害を被る人のことは、考慮されません。

そのことが、実際の運用において軋轢を生むことがあります。

あるいは、システムを使う人の身に成ったつもりで、あれもこれもと沢山の機能を詰め込んでも、結局、使われなかったり、不評だったりするのは、単に頭で使う人の身に成ったつもりでいるだけで、真に使う人の身に成っていなかったのだと思います。

コンピュータ上に実現する機能だけを、一生懸命、考案しても実際にシステムを使って仕事をする場面をイメージしていなければ真に仕事に使えるシステムはできません。

ほぼ間違いなく、運用で失敗するか、思ったものと違うシステムが出来上がってしまうことでしょうね。

ここで、単なる”つもり”ではなく、真に成るには、イマジネーションの力が必要になります。

本当に自分が現場で、実際に動いているところをリアルにイメージして見ましょう。

これは、対象を左脳で論理的に分析するのではなく、右脳で、イメージ（画像）を動かすのです。

その空間の匂いや音などもリアルにイメージできますか？もし、できなければ”現場・現実・現物”にもっと触れましょう。

真に対象に成りきるには、具体的なイメージが必要です。

ある業務を改善するシステムを考える時に、実際に自分が対象業務をしているところをリアルにイメージして、笑顔で楽しく効率的に仕事が進む場面を想像してみれば、それが、業務とシステムの”ありたい姿”ですよ、きっと。

そして、その楽しいイメージを台無しにするのが、既成の概念やルールですから、そこをブレークスルーできれば、”ありたい姿”に近づくことができるでしょう。