組織改革やシステム変更では、必ずと言っていいほど衝突が起きます。ステークホルダー(利害関係者)が多ければ多いほど、利害の衝突も起きやすく調整に難航します。そのような時には、あえて動かずに静観して自然に鎮静するのを待つのもステークホルダーマネジメントにおける作戦のひとつです。
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●企業システム戦略 兵法三十六計 敵戦の計 第九計 隔岸観火
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隔岸観火(かくがんかんか)「岸を隔てて火を観る」
敵が内側に火種を抱えている場合に、それが燃え盛って敵が自滅するのを待つ戦術
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
表だって相手に内紛の火種がくすぶっているときは、こちらは動かず造反を待つ。そのうち殺し合いが始まり、自滅の道をたどるだろう。こちらから仕掛ければ逆に相手を結束させる好機を与えてしまう。
企業システムを取り巻く、内外にも様々な紛争の火種があります。
それらに対して、攻め立てるのではなく、放置して様子を伺っていれば、自然に自滅してしまうということです。
利害関係が対立する人達を攻めれば、そのことに対して利害を一致させ、協力体制を組んで大きな勢力となります。
しかし、放置しておけば、互いの相反する利害によって、いずれは衝突を起こし破綻します。
何か新しい制度や体制、システムを導入する時には、必ずといっていいほど抵抗勢力が現れます。
しかし、彼らの利害は必ずしも一致しているわけではありません。
最初は、新しい物に対する抵抗という一点にベクトルを合わせ団結します。当然、その矛先は新制度や新システムなどです。
そのような時には、強引に導入を推し進めると抵抗勢力をいっそう、一致団結させることになります。
そこで、しばらく時間を置いて様子を伺いましょう。
新しい制度やシステムに対する利害が衝突して、抵抗勢力は次第に崩壊して行くことでしょう。
あるいは、新制度やシステムの導入に対して、自然に受け入れていく方向に議論が収束することも
ありましょう。
新らしいものから逃れられないと分かれば、それに対して相反する利害を調整するように自律的な力が働きます。
そうしなければ、抵抗勢力は組織に存続することができないからです。どうしても存続できない一部の抵抗勢力は、組織を離脱するでしょう。存続を望む勢力は、新しいものに対して、自ずと折合いをつけていくでしょう。
業務変更を伴う新システムの要件定義などでも、このような状況は起こります。
はじめは、相反する利害を満足するように、好き勝手にシステムに対する無理な要求をします。そのような場合も、無理に要件を調整しようとすれば無理な要求に拍車をかけます。
これを時間をとって、議論の行方を見守っていれば、相反する業務要件は、自然と調整に向かいます。
人心もそうですが、システムは安定に向かう傾向にあります。
紛争の火種や衝突を内在していると、それらを排除して安定しようと働きます。特に新しい力が優位なものであれば、生存するために、自らを安定させようとします。すなわち、矛盾や衝突を排除しようと動くのです。
ですから、新しい制度やシステムの導入に当たっては、不退転の信念(優勢に立つこと)が必要なのです。
さもなくば、静観している間に、安定のために新しいものが排除されてしまいます。それでは、結局、何も変えることはできません。
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