◆プロジェクトの目的を周知するには?

企業システム戦略

◆プロジェクトの命名
 このように決めたビジョンを、プロジェクトメンバや内外の関係者で、共有し続けることが重要である。ビジョンを検討したメンバや一部のメンバだけが、ビジョンを理解しているだけでは、プロジェクトが迷走するリスクは大きい。一人のプログラマが、ビジョンを理解していないばかりに、プロジェクトがあらぬ方向に走ってしまうことも、システム構築では発生し得るのである。

 ビジョンは、システム構築に関わるメンバはもちろん、トップや利害関係者など全てのメンバが理解しておかなければならない。そうすることで、これから先に道で迷った時に、最善の進むべき方向を選択することができ、メンバのベクトルを合わせることができる。常に目的を念頭において進むことで、メンバが余計な回り道をすることなく、最小の投資・期間で効率良くシステム構築を進めることが出来る。

 この重要なビジョンを、確実にメンバで共有するためには、プロジェクトあるいはシステムに愛称を命名するのが良い。ビジョンを的確に表現した愛称は、誰にも覚え易く、いろんな場所・時点・メディアを通じて使われる。そして、自然に、それを口にする人々の中にビジョンが浸透して行くのである。例えば、簡単・親切で・安全な登録システムということで、SAFE(シンプル・アンド・フレンドリ・エントリ)システムといった具合である。

 みなさんも、親しみ易く、ビジョンを分かりやすく表現した愛称を考えてみてはいかがだろう。ビジョンの周知という面で、中核メンバだけで考えるよりも、一般公募する方法をお勧めする。利用者も、全員参加で愛称を命名したシステムなら、可愛がって使ってくれるはずだ。

■目次:システム開発する前に知っておくべきこと83項目

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