◆失敗しない発注先ベンダーの選定方法は?

システム開発

◆選定方法
 ハード・ソフト・業者を選択する場合、3~5社・製品を対象に比較表を作成するのが 良い。以下に評価項目の例を示すので参考にされたい。
(1)システム構成比較表の評価項目
  1).システム構成
 a.データベースサーバ
 ・ハードウェア
 ・ソフトウェア
 ・DBMS
 b.アプリケション/Webサーバ
 ・ハードウェア
 ・ソフトウェア
 c.クライアント
 ・ハードウェア
 ・ソフトウェア
 d.開発ツール
 2).評価項目
 a.コスト
 ・ハードウェアコスト
 ・サーバ
 ・クライアント
 ・ソフトウェアコスト
 ・サーバ
 ・クライアント
 ・ライセンス契約
 ・開発ツール
 ・保守契約
 b.性能/効率
 c.信頼性
 d.可用性
 e.安全性
 f.操作性
 g.拡張性
 h.オープン性/移植性
 i.開発生産性
 j.運用保守性
 k.電子承認システムとの連携
 l.電子メールとの連携
 m.既存基幹システムとの連携
 n.総合評価
(2)業者比較表の評価項目
 1)提案概要
 2)見積り額(単位:万円)
 ・ハードウェア
 ・ソフトウェア
 ・その他追加費用(開発ツール、ライセンス契約等)
 ・総額
 3)評価項目
 a.見積り内容
  ・見積り前提が明確か
  ・仕様変更に伴う契約、費用見積りは成されているか
  ・単価が明確であり、機能毎に見積られているか
  ・請負い作業の範疇が明確か
(コンサルティング、要件定義、制作、教育、運用保守等)
  ・瑕疵に対する無償保証期間等について明記されているか
  ・ドキュメント作成等、見積もられているか
  ・システム移行作業の見積りが在るか
  ・ライセンス契約を見積っているか
  ・標準化された見積り手法を持っているか
 b.提案内容
  ・提案根拠は明確か
  ・システム・アーキテクチャーの採用方針が明確化されているか
  ・開発者(システム)でなく、使用者の立場(業務)の提案か
  ・ある程度具体的提案か(システム構成等)?
  ・データコンバージョン、システム移行が検討されているか
  ・生産性向上の為の、ツールや言語を採用しているか
  ・データ量に関わるシステム設計時の前提等は明確か?
  ・バーコード利用等、入力に関する効率化の提案はあるか
  ・一括入力等、システムの使い勝手に関する提案はあるか
  ・代替案の比較検討をしてあるか
  ・同時ユーザ数やトランザクション量等の運用条件は明確化か
  ・保証性能は定量的に設定されているか
  ・開発ツール・言語(含む、採用理由:生産性等)が明確か
  ・ハードウェア、汎用パッケージ等の提案はあるか
  ・電子承認システム、電子メールとの連携が考慮されているか
  ・既存の基幹システムとの連携が考慮されているか
  ・多地点での運用を考慮しているか
  ・発展性に関する提案はあるか
  ・ユーザにわかりやすい平易な表現で資料が作成されているか
  ・セキュリティの提案はあるか (社外情報提供時)
  ・コスト最小/効果最大の提案か
 c.開発能力
  ・開発方法論を持っているか
  ・プロジェクト管理方法論を持っているか
  ・要求分析の為の資料請求、ヒアリングがあるか
  ・熱意はあるか(定性的ですが)
  ・投入人員及び開発期間は明確かつ妥当か
  ・システム設計の前に、まず業務を理解しようと努力するか
  ・コミュニケーション能力、プレゼン能力はあるか
  ・代替案を良く提示してくるか
  ・情報技術に精通しているか
  ・専門外のことでも親身に対応するか
  ・システム開発に対して、明確なポリシーを持っているか
  ・国家資格、業者ー資格保有者数はいるか
  ・同規模のシステム開発経験があるか
  ・プロジェクト・マネージャは明るく、責任感の感じられる人柄か
  ・自社のインフラを理解しているか
  ・自社業界の業務・システムを理解しているか
 d.運用保守体制
  ・柔軟な運用保守が可能な体制か
  ・運用保守は低コストで提供されるか
  ・自社の業務・システムに促した臨時開発に即応できるか

(3)担当SEの業界知識や同業種への導入経験
  さらに、担当SEは、製品知識だけでなく業界知識や同業種への導入経験は豊富か、明朗快活かなど。また、なんでもかんでもリプレースして新しい箱(ハード)を買わせようとするか、顧客のメリットを考えての言動が感じられるかなども要チェックである。特に、ERPコンサルタントなど、パッケージの導入コンサルタントは、パッケージには詳しいが、業界知識が乏しいために、無理やり業務をパッケージに合わせるよう提案したり、逆に無用な追加開発を多発したりと、開発費用・期間を増長させる傾向にあるので要注意だ。

(4)海外製品の場合の国内体制
 海外製品の場合、単なる代理店か、日本法人か、開発体制が国内にあるか、要員数は十分か、トラブル時の平均対応時間などをチェックしておかないと、業務が停止する恐れがある。著者の知るところでも、部品表システムに海外製のPDM製品を利用したのは良いが、トラブルで1週間データの更新が停止した。著名な製品であったが、日本の代理店では解決できずに、米国の開発元に問い合わせていたためだ。製造業において、部品表が1週間も前の古新聞では相当な影響が出るところだが、たまたま、旧システムからの移行中で実業務には影響が出ずに事なきを得た。

■目次:システム開発する前に知っておくべきこと83項目

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