システムの中長期計画は、基本計画に重心を置きバランスよく

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　●企業システム戦略　五輪書　水之巻　足使いの事
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「足の運びは、つま先を少し浮かせて、踵を強く踏むべし。足使いは、ことによって大小、遅速あっても、常に歩むが如し。

飛び足、浮き足、ふみすゆる足の三つは、きらう足也。足使いは、陰陽の足が肝心。

陰陽の足とは、片方の足ばかりを動かさないこと。きる時、引く時、受ける時も、右左右左と踏む足也。」

これは剣術における足の運び方についての具体的な解説です。

そこで、アナロジ（類似性）を使って、企業システム戦略に応用できるところを学びましょう。

足の運びというのは、歩みですね。企業システム戦略にも歩みがあると思います。

中長期計画や事業計画など、どのように歩んでいくのかとか、
市場環境や競合他社の動きに、どのように追従していくとか。

或いは、資金計画や人材採用計画、売上げ拡大計画などなど。

これらの足の運びは、重心をしっかり踵、つまり、基本計画に置き、つま先（個別計画）は少し浮かせます。

浮かせると言うのは、動きやすいように軽くしておくことです。
個別計画が重いと、動きが重くなります。

大小、遅速があっても、常に歩むが如し。

一定のペースで、愚直に地道に行きましょう。

一足飛び（一攫千金）を狙ったり、市場や他社の動きに浮き足立ったり、踏み留まったりするのはよくありませんね。

足運び（計画）は、陰陽が肝心で、左右のバランスをとって一方に偏らないようにしなければなりません。

技術や設備にばかり投資して、人材に投資を怠るとか、ハードウェアばかりに投資して、ソフトウェアに投資しないとか戦略と戦術のバランス、業務プロセスと情報システムなどなど、企業システムには、さまざまな車の両輪があります。

これらのバランスが肝心です。

そもそも、システムというのは、自然に安定的な方向に向かいます。
バランスが崩れると不安定になります。

企業システムのバランスを保ち、安定的、かつ、着実な歩みを継続するために考え出されたのがバランススコアカードなのです。

バランスを保つには、リアルタイムで短サイクルのフィードバック、つまり、ＰＤＣＡサイクルが必要ですね。

両足で平均台の上を真っ直ぐに落ちないように歩く時の感覚です。このときのバランスを調節する機能が耳の中にある耳石器（じせっき）や三半規管です。

バランススコアカードは、企業システムの耳石器（じせっき）や三半規管にあたるものです。

古くは財務諸表があり、これも企業システムのバランスを図るものですが、財務的な視点に偏っていると言うことで、これに、組織学習、内部プロセス、顧客という視点を加えて、バランスさせるようにしたものがバランススコアカードです。

最近は、さらに社会的責任（CSR)や株主満足、社員満足、パートナーシップ、環境などを加えている企業も増えてきました。

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