デジタル技術だけではDXの変革、トランスフォーメーションが進まない理由

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が発表した「DX白書2023」のサブタイトルは

進み始めた「デジタル」、進まない「トランスフォーメーション」

DX推進にあたり、多くの企業では社員の「リスキリング」にも取り組んでいるところ。
なぜ、「トランスフォーメーション」が進まないのか？

帝国データバンクによる「DXに関する企業調査」では、約半数の企業が人材不足と回答している。特にビジネスとデジタル技術を融合し、新しい商品やサービスを企画する役割の人材が不足しているとのこと。

デジタル技術には、ビッグデータやIoT、AIやRPAなど様々な技術があり、それぞれに専門的なスキルになる。

しかし、これらの専門技術をリスキリングで習得しても、それだけでは新しい商品やサービスと融合することは難しい。

また、何か一つの技術に特化した専門的スキルだけでも、アイデアは生まれにくい。

ビジネスとデジタル技術を融合するには、もう少し広い視野が必要になる。ビジネスを言い換えれば、「経営」や「マネジメント」

ドラッカーによれば、マネジメントの２大機能はマーケテイングとイノベーション

マーケティングは、顧客の創造であり、イノベーションは、価値の創造である。

これらは専門的技術というよりは、顧客の理解や価値とは何かなどを思考するスキルが必要になる。

そして、自社のビジョンや戦略と照らし合わせ、どのような新しい商品やサービスを提供すべきか、自社の存在意義（パーパス）は何かなど多岐にわたり考える必要がある。

こういった面でのリスキリングも同時並行で進めなければ、「ｘｘｘデジタル技術使い」が増えるだけになってしまうだろう。

特にバックオフィスでは日常業務での顧客との直接的な接触機会が少ないため、身近な業務効率化のみに留まってしまう可能性が高くなる。

そこから生み出されるシステムもしかり。

入力業務を自動化するなどに留まり、「顧客や価値の創造」からはほど遠いものとなってしまうだろう。

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　●企業システム戦略五輪書地之巻兵法二つの字の利を知ること
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兵法の道においては、世間では太刀を使いこなせる者を兵法者と言う。

弓が得意なら射手、鉄砲なら鉄砲撃ち、槍は槍使い、長刀は長刀使いという。しかし、太刀は太刀使いや脇差使いと言わないで、”兵法”というには理由がある。
　
太刀の徳によって世を治め、我が身を修めるので、太刀は兵法の根本である。

世の中には、様々な道があって、武士の道にないが、どんな道も広く知れば通じるところがある。いずれにしても人間として、夫々の道をよく磨くことが肝要だ。