全社システムの短期導入は専任体制で！

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全社的システム導入には大きく２つの方法がある。ひとつは段階的に進める方法、ひとつは短期導入だ。

どちらの方法を採用するかで体制も変わってくる。

段階的に進める場合は、比較的時間の余裕があるので兼任でのプロジェクト参加でも問題はない。また、プロジェクトメンバーで意思決定が難しい場合は、各部門に持ち帰って検討するという時間的余裕もある。

しかし、短期導入では総力結集して即断即決して行く必要があるため、専任体制とする必要がある。

各部門から意思決定権者が専任でプロジェクトに参加して、さまざまな課題解決策や要件定義を短期間に意思決定していかなければならない。

何か問題が発生した場合も、すぐに打開策を決めて行動に移すスピード感が重要だ。

短期導入にもかかわらず兼任体制で進めるとなれば、段階的導入のような時間的余裕がないのに意思決定が即断即決できず、各部門に持ち帰って検討するというなことでは間延びしてしまう。

兼任であれば、日常業務が優先されてしまい、プロジェクト活動が停滞するという状況にも陥りやすい。

各部門からすればプロジェクトよりも日常業務のほうが重要で、貴重な戦力を専任で出せるわけがないという声も多いのは事実。そこのコンフリクトをどう乗り越えるかが最初の試金石でもある。

日常業務かプロジェクトか、専任か兼任か、このあたりは経営判断になるだろうし、本気度も垣間見える。

「社運を賭けた全社システム」などとうそぶいても現場の声に押されて中途半端なプロジェクト体制しか組めないようでは最初から短期導入の成功は危ぶまれる。

意思決定をする場合にも必要なプロジェクトメンバーが全員集まれずに、結論は持ち帰って検討してからと先延ばしになってしまう可能性もある。

これではとても総力を結集して一気にプロジェクトを推進することなどできない。結果的に工期はずるずるとなし崩し的に遅れてしまうことになる。

そうなれば、最初から段階的導入をするつもりで進め方を考えていないので余計にやっかいである。

短期導入において専任体制を組んでプロジェクトを一気に進めるためには、何度もそういうことを経験する必要がある。

日ごろから問題が発生した時に関係者が一堂に会し、解決策など即断即決で意思決定をして行動に移すようなことを繰り返し実践しておかなければならない。

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●企業システム戦略　五輪書　水之巻　石火のあたりといふ事
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石火（せっか）のあたりは、敵と自分の太刀とが接近している時、自分の太刀少しも上げずして、如何にも強く打なり。

足もつよく、身もつよく、手もつよく、三所をもつて早く打べきなり。