デジタル化する時は誰よりも早く現場へ駆けつけろ！

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デジタル化では仮想空間で物事を考えることが主体となるが、仮想空間をイメージするにはリアルな現場のことを知る必要がある。

例えば現場にある紙の作業指示書などデジタル化して作業指示のやり方を変革したいと考えた場合、まずは現場へ行ってみることだ。

現場へ行ってみると紙の作業指示書が実際にどのように使われているかを知ることができる。単に作業指示をするためだけに使われているわけではないことがわかる。

作業指示に従って作業した結果を記録したり、検査したり、残作業や申し送り事項などを後工程に連絡するために使われていることがある。

また、物の移動や配置を見える化するための現品タグとしての機能を持たせたりしていることもある。

作業指示書という名前だけで、作業を指示するための紙媒体であるという理解のもと、容易にデジタルに置き換えることができると考えるのは早計だ。

ざっと見ただけでも作業指示という機能以外に、作業結果の記録、検査、工程間の連絡、物の所在把握といった機能を持っている。

細かく観察すれば、他にも思いもよらないような使い方がされていて、追加の機能を持たせているかもしれない。

作業指示の機能だけをデジタル化してしまい、他の機能を代替する手段なり道具なりを提供しなければ現場の作業に支障をきたすことになる。

記録・検査・連絡などの機能は容易にデジタル化して仮想空間に実装することができるかもしれないが、物の所在把握といった機能は物理的に物と同居しているタグのようなものが必要になろう。

このようなことをヒアリングで聴収することも不可能ではないかもしれないが、議論の場に臨む前に「誰よりも早く現場へ駆けつけろ！」のが精神が重要だ。

現場へ行くのを後回しにして、机上や頭の中で勝手な思い込みであれこれ仮想空間の出来事を想像して議論に臨んでも、現場の実態が把握できていないから自信が持てない。

議論が進んでしまった後から、ノコノコ現場へ出向いても思うような方向に議論を進めることはなかなか難しい。

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●企業システム戦略　孫子の兵法　虚実篇　その１
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およそ先に戦地に処りて敵を待つ者は佚し、後れて戦地に処りて戦いに趨く者は労す。故に、善く戦う者は、人を致して人に致されず。