レガシ再構築では早期にデータモデルの差異分析を!

レガシシステム

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レガシ・システムの再構築パッケージに置き換えることが多くなってきた。その場合、業務がパッケージに適合するか否かを評価するためにFit&Gapを行う。

このFit&Gapは画面などを見ながら業務機能に対して行われることがほとんどだ。

例えば、レガシな図面管理システムPLMパッケージで置き換えるというプロジェクトに携わったことがある。

その時も図面管理に関する業務機能を中心Fit&Gapが進められた。図面を作成する時に新規登録して発行することができるかとか、設計変更で図面を改訂したときに改訂履歴などを登録することができるかなど。

画面を見て業務機能を確認しているときには問題が無いように見えた。しかし、データモデルがどうなっているかを早期に確認し、レガシのそれとの差異分析をした。

その結果、PLMパッケージでは改訂履歴図面のエンティティ属性情報として最大10改訂分を保持(横持ち)するようになっていた。

一方、レガシのデータモデルでは改訂履歴は図面とは別のエンティティとなっており図面に対し無制限n改訂が保持(縦持ち)できるようになっていた。

そこで技術部門と協議して10改訂より古い改訂履歴はパーッケージとは別にアーカイブすることにしてデータ移行しないということで事なきを得た。そして、今後は改訂が10を超える場合は、別の図面を新規に起こすように設計標準も見直した

もし、このようなデータ構造に関わる大きな差異がデータ移行の段階で発覚し、かつ、技術部門が全ての改訂履歴をPLMに移行することを強く望んだ場合、急遽、パッケージのデータモデルをカスタマイズしなればならない。

最悪、パッケージのデータモデルをカスタマイズすることができなければ、置き換えを断念し、別のパッケージを探すことになったであろう。

データモデルをカスタマイズするにしても、別のパッケージを探すにしても納期やコストへの影響は甚大だ。

実際にERPへのデータ移行段階でデータモデルの差異が発覚し、開発したERPを廃却し、数億円特別損失計上したという事例も過去にあった。

このようなことがないようにFit&Gapでは業務機能面のみにドタバタと一喜一憂することなく、データモデル「ピタッ」とFitするか否か、Gapを容易に解消できるかなどの差異分析早期に、かつ、冷静行う必要がある。

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●企業システム戦略 五輪書 水之巻 はりうけという事
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