「ビジョンの構想」それ、DX隊長に求めるもの？

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ITスキル研究フォーラムによれば、業界内でDXが「遅れている」とする企業は、DXリーダーに「ビジョンの構想」を求める声が突出しているらしい。

そのほか「要件の具体化」「関係部署との調整」などは先進企業、後進企業共にDXリーダー求める声は高いそうだ。

DXを推進する実行部隊の隊長に「ビジョンの構想」を求めるということは、経営者がそれをやっていないということになる。

DXは会社としての変革活動だから、どこへ向かって突撃すればわからないのでは、DX隊長も動きが鈍くなるだろう。

DX先進企業が「ビジョンの構想」をDX隊長に求めていないのは、経営者がそれをすでにやっているということになる。だから、DX隊長もどんどん切り込んで行けるわけだ。

DXが進んでいるか否かは、DX隊長の働き云々の違いよりも、それ以前ということになる。

DXが「遅れている」という企業は、DX隊長が「ビジョン」を構想してくれないからねぇ～などと嘯いて、他人事のように遠くから眺めている経営者の姿勢が透けて見えそうだ。

つまり、本気でDXを推進する気があるかどうか怪しい。世の中、DX、DXと騒がしいので「やってない」とか「やる気がない」などと開き直るには気が引けるから、とりあえずDX隊長を任命して傍観しているのか。

少なくとも自ら「ビジョン」を示してDXに突撃しようという強い意思は感じられない。

これではDX隊長もどこへ向かって進んでよいかわからないから困ってしまう。その結果、課題待ちの状態になることが多いだろうからDXの進みは当然、遅くなるわけだ。

これに対し、DX先進企業ではDX隊長に「デジタル技術や最新事例などを理解し、具体的な行動を素早く起こす」ことを求める。

つまり、「ビジョン」は経営者が示すから、DX隊長宜しく！という構図が見える。

進むべき方向や狙いが明確になっていれば、その方向に向かって次々と課題を捉えて追撃していくことができるわけだ。

継続的に変革していくには、次々と課題を捉え、捉えては解決し、また次の課題に向かっていくという必要がある。ひとつの課題に気を奪われて、待つ気持ちになるとうまくいかない。

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●企業システム戦略　五輪書　水之巻　多敵の位の事
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多敵の位というのは、一人で多勢と戦う時のことである。敵が四方からかかって来ても、一方へ追廻すような心持である。

大局を見て、、、敵の出てくるところを強く切り込み追い崩して、そのまま、また敵の出てくる方へ切りかかり、振り崩す心持である。また、敵の出方に気が奪われると、待つ気持になり旨く行かない。