宮本武蔵に学ぶ「変革」の心得　五輪書　水之巻　直通の位

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「2025年の崖」とか、「労働生産性低下」とか、「人材不足」とか聞くと今すぐにでも「変革」しないと危ないような気になって焦りを感じるもの。

しかし、一朝一夕に変われるものでもないし、焦っても仕方がない。焦らず、諦めず、地道に愚直にやるしかない。

「製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立」などと言われても腰が引けてしまう。

そもそも「変革」とは何か？「改革」「改善」など似たような言葉もあるが、違いは何か？広辞林を紐解けば、それぞれの言葉の意味がわかる。

ちなみに「変革」は「物事をすべて変えて、新しくすること。」と記されている。

これを言葉どおりに受け止めれば、「社長」も交代？ということになりかねないが、そんなことはなかろう。

逆に、事業承継して社長が交代すれば、変革ができるのかという疑問もある。

日本には古くから「守破離」という言葉があるが、この最終段階の「離」に至る時は、それまで習ったことから離れて、独自の道を確立するという意味がある。

しかし、「守」で身につけた基本や「破」での試行錯誤や工夫を全て変えて（捨てて）しまってということではなく、しっかりとした土台とする。

連続性を維持した上で、新しい形を確立するのだから、そう簡単にはいかない。簡単ではないし、短時間に完了するものでもない。細胞レベルで記憶された基本形を破って、そこから離れるのは並大抵ではないのだ。

「守」から「離」への移行を模索する「破」が重要になる。ここでどのような試行錯誤や工夫ができるかにかかっている。

いつまでも「守」に囚われていては、どれだけ「破」を重ねても「離」に到達することはできない。かといって、焦って「離」を求めれば、基本が崩れて始めからやり直しだ。

「何か新しいことを」という焦る気持ちを抑えて、まずは基本となる土台は何なのか、生い立ちやルーツ、創業の精神を振り返ってみるのも良いだろう。

そこを軸としてブレないようにしつつ、いままでと違う新しいことが何ができそうかいろいろ試行錯誤し工夫を重ねてみる。

「新しいこと」の発想のトリガとしてデジタル技術の活用を考えてみても良いだろう。土台となる軸をブラさなければ、道具は使いようだ。

あるいは、自然界の動物や植物の特性を模倣して、製品や技術開発に役立てる「バイオミミクリー（生物模倣）」や「ネイチャー・テクノロジー」などから着想を得ることができるかもしれない。

こういったアイデア出しや試行錯誤、工夫の壁打ちに生成AIとの会話は持って来いだ。最初からヘンカク、ヘンカクと肩ひじ張らずに、気軽に生成AIに話しかけてみてはどうだろう。

その時にウチは大企業だから、とか中小企業だから、個人事業主だから、とか、○○業だからとかいう規模や業態に「居つく」気持ち、先入観を持たないことだ。

「居つく」のと、土台となる「軸をブラさない」ことは、似て非なるもの。

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直通（じきつう）の心は、二刀一流の真実の道をうけて伝えるところである。

”千里の道も一歩ずつ””今日は昨日の我に勝ち””明日は下手の者に勝ち””後には上手の者に勝つ”

剣術の智力によって多数の兵法も一人の兵法も会得すべきである。千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を練とする。（1日１０時間なら３年で１万時間⇒黒帯レベル）