焦らず「後発の利」を狙ってもヨシ！

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毎年、経産省が選出している「DX銘柄」、今年も「DX銘柄2025」「DX注目企業2025」「DXプラチナ企業2025-2027」として多くの企業が選出され公表された。

こういった公表を目にすると「焦り」を感じることもあるだろう。ウチは遅れているんじゃないか？と。

経産省の狙いはDX先進企業の取り組みを公表して、他社の後押しとなることだ。危機感を煽っているわけではない。

それに毎年の選出企業数は、日本の総企業数からしたら極わずかでほんの一握りでしかない。

危機感を持つことは大事だが、「焦る」必要は何もない。焦って、先進企業の真似をしたところでどうにかなるものでもない。

せっかく他社の取り組みが公表されるのだから、これを有効活用しない手はない。

ここに「後発の利」がある。

同業他社の取り組みを覗いてみるのもよいし、他業種他社の取り組みを参考にするのもよい。

うまくいっている企業には共通的な取り組みのコツのようなものが発見できるかもしれない。また、共通的に苦労しているポイント、工夫しているポイントもあるだろう。

数年分の公表資料を見れば時代の流れやトレンドが発見できる可能性もある。

このように様々な業種・会社の取り組みを分析して多くを学ぶことができる。まさに賢者は歴史や他社から学ぶ。

自らの経験に学ぶことを愚かだとは思わないが、「車輪の再発明」のようなことにならず、お金と時間を有効に使える可能性が高い。

先進企業の取り組みを学び、さらにその上を行く、あるいは隙間を突く創意工夫があれば、一気に先頭集団に躍り出られる可能性だってある。

先陣を切って挑戦することは尊いことではあるがリスクも高い。敢えて、「後発の利」を狙った戦略だって悪くはない。

特に昨今は不確実性が高く、先が読めない時代。最初から「DX銘柄」に選出されることを狙いリスクを取って挑戦するよりも、後発の方がリスクを低く抑えられる。

それを腰が引けているとか、ずるいとか言われる筋合いはなかろう。

最初から先頭を突っ走る必要はなにもない、後ろから虎視眈々と躍り出るチャンスを狙っていけばよい。

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　●企業システム戦略　孫子の兵法　軍争篇その１
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軍争の難きは、迂をもって直となし、患をもって利となすにあり。

故にその途を迂にしてこれを誘うに利をもってし、人に後れて発して人に先んじて至る。これ迂直（うちょく）の計を知る者なり。