知財戦略、先に出すか否か？知財DXが鍵！

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”先手必勝！”などと聞くと、誰よりも先んじて仕掛けて利を得るという意味に使われることが多い。

例えば、知財戦略における「特許」などは先願主義となっている。

他社に先を越されたりするとそれだけで勝機を逸したと意気消沈してしまうことも多いが、意外にそうでもない。

他社の動向をしっかり見極めてから、それを上回る新しい商品やサービスを考え出すことも可能だ。

例えば、実用新案
特許に比べて、申請のハードルが低く費用も安価、登録まで短期間などのメリットがある。一方で、権利が10年（特許は20年）などデメリットもある。

多額のR&D投資をして特許を申請しても、他に先願があれば努力が水泡になるリスクもある。

むしろ、他社の先を行こうと焦ってしまい、足を滑らせて怪我をするくらいなら、意図的に出遅れる戦法も悪くはないだろう。

特許は出願すると公開されることになるので、他社に新たなアイデア発想にヒントを与えることになる可能性だってある。

なので、特許や実用新案などで公開による権利主張をせず、営業秘密としてノウハウを社内に留めておくという選択肢もある。

こういったメリット、デメリットを考えると、何が何でも特許を先願すれば”先手必勝”かというとそうでもない。

公開するか否か、公開するならいつするか、どのような形で権利を保護するかなどを勘案して知財戦略を考えていく必要がある。

そのためには他社や市場の動向、出願の状況、公開済の特許などの情報に適時適切にアクセス・分析し、アイデアを創出するための新たな仕組み変革、すなわち「知財DX」が必要だ。

知財DXで後れを取ると先手を取ろうにも他社より出遅れる確率が高くなり、あるいは、不用意に飛び出してしまうことにもある。

早ければ良いというわけでもなく、遅すぎては意味がない。仕掛けるタイミング、【天の時】を知ることが重要だ。

知財DXの遅れは、知財戦略の成否を大きく左右することになろう。

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●企業システム戦略　五輪書　火之巻　三つの先という事
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三つの先（せん）

一つ、自分から敵へかかっていく「懸（けん）の先」

一つ、敵の方からかかってくる「待（たい）の先」

一つ、こちらと敵と同時にかかる「体々（たいたい）の先」

どんな場合の戦いでも、最初はこの三つの先より外はない。先の仕掛け方次第で勝つことを得るものであるから、兵法には【先】ということが重要である。