五輪書

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相手の手段に自分の手段を粘るように密着させ動きを封じ込める戦術

粘るというのは、相手と自分とが衝突した時、相手の手段(商品やサービスなど)に自分のものをピッタリと密着させて、相手の動きを封じ込めて自由にさせないという戦術。つかず離れず、簡単には離されないよう、強すぎない心持で静かに。もつれるのとは違う。
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身の丈に合った内部統制DXは競合他社とのベンチマークで競り勝つ程度に

自社にとって身の丈に合った内部統制のDXは競合他社とのベンチマークで競り勝つ程度に考えると良い。大企業のまねをして不必要に大規模なことを考えても無駄が多くて確実な成果につながらない。逆に委縮しすぎて競合他社の取り組みに対して小さすぎる取り組みも労多くして功少なし。
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システム導入の他社事例は背後の目的や戦略、プロセスまで把握して模擬すること

システム導入の他社事例を模擬する場合、ITシステムなど表面的な部分だけを見ていては失敗する。システム導入の背後にある目的や戦略、プロセス、そして組織文化など全方面で深堀して模擬する必要がある。一方、他社に模擬されないようにするには、こういった面で複雑化し模擬困難性を高めることで競争優位が持続する。
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小手先のデジタル活用を積上げても、変革「DX」には至らない

秋猴(しゅうこう)の身とは、手を出さぬという気持ち。敵へ身を寄せていく時、少しも手を出す心無く、敵が打つ前に、身体を早く入れてしまうこと、何事においても小手先はだめ。小手先のデジタル活用を積上げても、身を入れて抜本的な取り組みが無いと変革「DX」には至らない。
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しっかりとした目的意識を持って取り組めば、継続的改善につなげることができる

打つとあたるは違うもの。どのような効果が出たとしても意図せずに、たまたま得られた効果であれば、それは「あたる」ということ。「打つ」というからには意図を持って、しっかりと行動すること。たとえ思ったような成果があがらなくても、意図して行動した結果であれば、その原因を分析して継続的に改善することができる。
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真に強力なシステムは環境変化に即応して、個々の要素が独立して自在に動くことができる

市場や競合相手の出方に応じて、組織体制を整えてビジョンと戦略を示したら、後は個々人が自律的に動いていけるような経営を「アメーバ型」経営と言う。このようなシステムを採用している指揮者のいないオーケストラとしてオルフェウス室内管弦楽団も有名である。
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市場競争で相手の戦力を無効化するのは、一つの効果的な戦術

五輪書にある「紅葉〔もみぢ〕の打ち」は、相手の戦力を無効化する一つの効果的な戦術である。直接的に相手を打つのを、商品戦略やサービスだとすれば、太刀を打つのは、生産能力や販売力などにあたる。どちらの強化を主眼とするかを意識すれば両者のバランスが図られる。
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接近戦、均衡状態を打破するには、総力を結集して一気に攻める

接近戦、均衡状態を打破するには、長引かせずに、一気にやる。販売、設計、生産が連携し、総力を結集して、一気に攻める。そのために、日頃から鍛えておく。日頃から情報共有・連携を進めて、組織間の壁を無くして風通しを良くしておくと共に、組織全体の底上げを図る。
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標準部品を組み合わせて多種多様なニーズに対応するマスカスタマイゼーション

相手の動きに合わせて変幻自在に変わって応戦するのも一つの戦術だが、相手の動きに合わせずに、同じ形で迎え撃ち、戦果がどうなるかは、相手の出方次第という戦術もあり。製造業の世界では、マス・カスタマイゼーション/モジューラ設計と言う戦略。ITの世界ではマッシュアップやMyページ機能などがある。
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軽量システムを有機的に連合させて、全体としては大きな流れが統一されている状態が理想的

「流水の打ち」は身体の動きも心も大きくゆったりと構えて、「流れによどみのあるように」大きく強く働かせる技。軽量システムを有機的に連合させて、全体としては大きな流れが統一されている状態が理想的。 目前の火消しも大切だが、ゆったりと長期的視野に立って、火種を根本的に消すための施策を考えてみることも大切。