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◆「ソリューション」の意味するところは?

企業システム戦略

◆ソリューションの実態
 「ITを駆使して、最適なソリューションを提案します。」こうした広告が、IT業界誌などに登場してからすでに久しい。しかし、業者は、本当にソリューション(解決策)を提供してくれるのだろうか。

 確かに、IT業者は、さまざまな最新ソリューションをぶらさげてやってくるが、いつも、なんだかピントはずれだ。やはり、IT業者の技術者が、例えば、製造業の現場で起きている問題を正しく把握し、適切な解決策を提供するのは困難である。また、利益を効率良く確保するためには、商品であるソリューションは、いろいろな会社に広く適用できる汎用的なものでなければならない。会社ごとに、個別にソリューションを開発していて は、とても開発費を回収できないのである。

 その結果、ソリューションの内容が、欧米の教科書から取ってつけたようなものになるのは否めない。実際、”解決策”でなく”ソリューション”というところ自体が胡散臭く、商品のキャッチコピーに聞こえてしまうのは私だけではあるまい。

 しかし、これは当然と言えば当然。なぜなら、IT業者のゴールは、ハード/ソフトを売ることだからだ。ソリューションというのは、いわゆる「解決問題」である。「解決問題」とは、まず解決策ありきで、その解決策にあとからとってつけたように問題定義することを言う。(ワインバーグの「ライトついてますか」より)

 彼らにとっての解決策は、もちろんハード/ソフトであり、それを売らんがための問題提起なのである。ところが、実際の現場で起きている問題は、ITを導入すれば解決できるというほど単純では無い。社内システム部門は、例えば、生産管理の解決策として、あえてITではなく、加工法や物流、機械の改善という道も提案できるが、IT業者には、それは困難な選択肢である。そもそもの問題認識のスタートが異なるのであるから、結局は、同床異夢なのだ。

 さらには、実際の現場で起きている問題は、会社ごとに異なり、業者が提案するソリューションのように、いわゆる業界別標準プロセスなど教科書的な解決策だけでは、とうてい解決できるものではない。著者のように製造業の現場を30年以上も見てきた人間にとっても、製造業の問題解決策としての情報技術の有効性が明確に見えているわけでなく、限界を感じることさえある。そもそも、売るべき「モノつくりの技術と人」がなければ、ITは、経営にとって全くの無力である。

 そんなこともあり、業界の問題解決策としてのIT活用は、やはり、その業界に身を置いたことがある人間が、いちばんよく見えるのである。IT業者にも、業界出身者がいるので、そういった担当者を探すと良い。それでも、やはり、IT業者のゴールは、ハード/ソフトを売って、生業とすることであり、ソリューションは、そのための広告キャッチコピー程度に考えて付き合うのが良い。 

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