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◆「自動化」による業務効率化の注意事項は?

企業システム戦略

◆「自動化」の落とし穴
 IT活用では、経営効率化のために業務プロセスを改革し、自動化することが多い。しかし、自動化すれば必ず、効率化するとは限らない。実は、自動化には大きな落とし穴がある。それは、業務プロセスを自動化することで、柔軟な対応ができなくなったり、内部統制が甘くなったりするということだ。

 例えば、発注業務を手作業で、人が介在して業務を遂行していたころは、注文金額の書き間違いに気が付いたり、単価の急な変更にも対応できた。ところが、これをEDI(電子商取引)を導入し、自動発注システムを構築したのは良いが、間違った金額のまま、取引先にデータが繋がったり、急な単価変更などにも、簡単に対応できなくなったりということがある。つまり、業務プロセスが自動化により、ブラックボックス化・固定化するた めに、人間のカンや融通が働くなってしまうのである。

 業務プロセスを人を介して繋ぐということは、ちょうどハンドルの遊びのようなものでもある。煩雑なハンドル操作を吸収して車をなめらかに運転することができる。自動化・リアルタイム化された業務プロセスは、この遊びが全く無いハンドルのようなもので非常に危険である。一箇所で入力したデータがリアルタイムで、各方面に自動伝達されるのは一見格好良いが、ひとたび誤ったデータが流れれば、そのために関係者が右往左往させら れるというのは、ハンドルの遊びが無いために車が蛇行するのに似ている。

これでは、かえって非効率かつ、危険きわまりない。皆さんの中にも、間違いメールを多人数に同時発信してしまい、取消し&謝罪メールを出された経験をお持ちの方がおられると思うが、それも自動化による弊害の1つである。間違いメールならまだ良いが、受発注業務など社外との取引業務では信用問題など、致命傷になりかねない。

 製造業の世界では、トヨタは、これを自動化ではなく「自働化」(にんべんのある自動化)と呼び、何か不具合や異常を感じたら、いつでも停止できるように工作機械を改良して(人間の知恵を付けて)いるのだ。また、市場環境の変化が激しい現代、かつての大量生産時代には効率的であった自動化生産ラインや自動化ロボット工場を取り壊し、多能工によるセル生産に切り替えている会社もある。いずれも、人間のカンや融通性をとりもどし、環境変化に柔軟に対応するための動きである。

 そこで、業務プロセスをIT活用して効率化する場合でも、何から何まで自動化・リアルタイム化するのではなく、非効率を承知で人手を介在させ、不具合や危険を感じたり、急な変更があった場合には、いつでもデータを止められ・修正できる「自働化」(にんべんのある自動化)を図るようにすべきである。そうすることによって、これまで有効に働いていた内部統制(コントロール)を失わず、システムが暴走し、人間が迷走させられることを防止できる。 

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