部門間連携や企業間連携では、正しい情報を伝達しなければ混乱は免れない

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●企業システム戦略　兵法三十六計　敗戦の計　第三十三計　反間計
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反間計（はんかんけい）　敵の間者（スパイ）や内通者を利用する計略を言う。

すなわち、敵の間者に偽情報が流れるように工作して、その結果、敵内部の離間や粛清を図ったり、敵に我の望む行動をとらせるよう仕向ける。

敵の間者を直接に脅迫ないし買収して、いわゆる二重スパイとすることも含む。

徹底的に相手を疑心暗鬼に陥れよ。効果的なのは、敵の諜報員を逆用して偽りの情報を敵に流すことである。こちらに失うものはなにもない。

出典：フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』より

反間について、孫子も語っています。

相手の間者（情報員）や情報網を、逆利用する作戦です。

こちらの情報を探っているということを知った上で、あえて偽の情報を流し相手を混乱に陥れたりします。

あるいは、相手の間者や情報網を取り込み、こちらの道具として利用します。

情報収集の道具である間者は、最も信用をおかれているので、その間者に偽情報を掴ませて持ち帰らせれば、相手を思うように誘導できます。

また、最も信用をおかれている間者をこちらの見方にして送り込めは、相手の重要な情報を得やすくなります。

このように情報収集の道具というのは、相互に重要なものであり、また、逆用されると最も弱みにも
なるものです。

この点については、現代の情報技術においても全く同様なことが言えます。

最も信用がおける人からのメールに間違いや偽りがあったり、様々なマスター・データに間違いや偽りがあったりすれば、その情報による事業活動は混乱してしまします。

逆に、それを意図すれば簡単に混乱を起こせるということです。

情報処理では、ＧＩＧＯ（ギーゴー）という言葉あります。

これは、GarbageIn,GarbageOutの頭文字を取った用語で、”ゴミを入れれば、ゴミしか出てこない”という意味です。

つまり、どんなに立派で、素晴らしい情報処理設備であっても、入力が誤っていれば、正しい結果は得られないことを意味します。

信用している情報処理設備に入力されるデータが偽情報であれば、業務は容易に混乱します。

例えば、ＳＣＭ（サプライチェーンマネジメント）を導入して、販売情報と生産情報を同期させ、在庫削減とリードタイム短縮を狙うとします。

しかし、サプライチェーンを構成するそれぞれが、勝手な思惑で情報を流せば、目的は達成できません。

販売側が欠品を恐れて需要予測を多めに出せば、在庫は増えてしまいますし、生産側が生産量や在庫を少な目に出せば、欠品を起こしてしまします。

ＪＩＴ生産においても、かんばんが重要な情報伝達の役割を担っています。

後工程が、前工程に部品を多めに作らせたくてかんばんを余計に外せば、かんばんを信用している前工程は、そのとうりに部品を作ってしまいます。

前工程の生産が安定せず欠品が多い時は、意図的に後工程は、こういったことも行うかも知れません。

バリューチェーンマネジメントにおいて製造部門の人に技術部門が、そろそろ出図するからと言えば、製造部門の人は準備を始めます。ところが、１ヶ月経っても出図されなかったら、どんな混乱が生じるか、想像に難くありません。

こういった問題は、ＰＬＭ（Product　Lifecycle　Management)を導入したからといってそう簡単に、解決できるものではありません。むしろ、ＰＬＭのようにあたかも信用できそうな道具が、混乱に拍車をかけることもあるでしょう。

いずれにしても、情報というのは、両刃の剣。活かすも殺すも、情報しだいです。

情報の器だけ立派に信用させておきながら、なかの情報が偽情報というのは、意図的に組織を混乱をさせたいなら、これ以上の策略はありません。