企業システム実戦の極意は規模の大小を問わず

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●企業システム戦略五輪書　火之巻　序
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さて、今回からは火之巻になります。水之巻が二刀流の太刀すじを解説したのに対し、この火之巻は実戦についての内容で「水之巻　兵法の書、五巻に仕立てる事」で次のように書いています。

『戦いのことを書く。火は大きくなったり小さくなったり、きわだった勢いを持っているので、それになぞらえて戦いのことを書くのである。

戦いの道は個人も集団も同じ。ただし、大きなところは見えやすく、小さいところは見えにくい。大人数でやることは、ただちに戦術を転換できない。

個人のことは、その人の心一つですぐ変わるから小さいところがわかりやすい。火の巻のことは、一瞬の間であるから、日々修練して平常心で心が変わらないことが肝要である。』

　　　　　　　序

二刀一流の兵法は、火にならって戦う。そこで、勝負のことを火之巻として書きあらわす。

世間の人は、兵法の原理を小さく考えてしまう。ある者は指先で、手首五寸三寸先の違いの利を知り、
あるいは扇をとって、肱から先で前後の勝ちを得、

あるいは、竹刀で僅かな早さの利を覚え、手を利かせ足を利かせることを習い、少しでも利の早いところを専門とする。

我が兵法では、数度の勝負に一命をかけて打合い、生死二つの利を分け、刀の道を覚え、敵の打つ太刀の強弱を知り、刀の刃胸の道をわきまえ、

敵を打ち果すための鍛練をするので、小さいこと、弱いことなどは、気にとめないのである。

ことに甲冑を装着したばあいの利に、些細なことなど関係ない。さらに、命を天秤にかけての打合いにおいて、一人で五人十人とも戦い、その勝つ方法を確かに知ることが、我が道の兵法である。

したがって、一人で十人に勝ち、千人で万人に勝つ道理に、何の違いも無い。よくよく研究すべきである。

しかしながら、日常の稽古の時、千人万人をあつめて、この道を習得するのは難しい。一人で太刀をとっても、その敵それぞれの智略を計り、敵の強弱や作戦をしり、

兵法の知恵をもって、万人に勝つところを極め、この道の達者となり、

我が兵法の直道、世界において誰が得るというのか、または誰が極めるというのかと確かに思い、朝タに鍛錬して、技を研きおおせて後、

ひとり自由を得て、自然に奇特を得、通力の不思議が生じるのであり、ここが、まさに兵法を修行する息吹である。

ここでも、やはり小手先の理論やテクニックではなく実践（実戦）から得た道理が重要であると説いています。

私も企業システムのあるべき姿についてその道理を極めたいと考えています。

今後も即効性のあるテクニックやノウハウの紹介だけでなく、”一人で十人に勝ち、千人で万人に勝つ”普遍的に応用が利く企業システム戦略の「道理」を探求していきたいと思います。