システムの核となるコンセプトは象徴的な言葉で後世まで伝えよ！

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●企業システム戦略　五輪書　水之巻　打あいの利の事
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「打ちあいの利というのは、兵法において、太刀を使って勝利を得ることである。詳しくは書き記すことはできない。

よく稽古して勝つ所を知るべきものである。大きな兵法の真実の道を顕す太刀である。これは口伝。」

兵法の具体的な実践を書いている五輪書のなかにあってこの分部は、極めて漠然とした記述になっており、しかも、最後に口伝となります。

武蔵の兵法は、勝つためには太刀に拘らず、何でも利用して、とにかく勝つことです。

しかし、本来の兵法の道を顕すのは、やはり太刀なのでしょう。その太刀で勝つための極意は口伝でということですね。

企業にも、本業とそうでない事業とがあります。

とにかく事業継続するには、本業に拘らずにあらゆる手段を講じなければなりません。しかし、真実は本業で功績を顕すことです。

なぜなら、それが起業の精神であり、ビジョンだからですよね。

経営の戦略や戦術について書かれた本なども沢山あります。また、社是や業務マニュアルなども沢山あります。しかし、本当のところは、口伝になるのでしょう。

日本には古くから言霊という思想があり、人が話す言葉には霊が宿ると言う思想です。人の思いは、口から発せられ、そして、現実のものとなって現れるのです。

ビジョンやミッション、業務プロセスなどをマニュアル化して社員に携帯させても、あまり読まないものです。しかし、トップが直接、真摯に語りかける言葉は、心に残ります。

トヨタには、トヨタ用語というのが沢山あるそうです。

これらは、トヨタのものづくりに対する哲学を端的に表わしたもので、この言葉を仕事の中で使っているうちに、自然と思いが伝わるようになっているのですね。

例えば、トヨタ生産方式の核となるコンセプトは「かんばん」や「Just In Time」などの象徴的な言葉で社内外に伝えられています。

山のような業務マニュアルや社内規定が整備されていても社内で共通に使われる「用語」が少ない会社は、「思い」は伝わりにくいのではないでしょうか。

「思い」を込めた様々な用語を創って、社内で使ってみましょう。

関連書籍　「トヨタの口ぐせ」　OJTソリューションズ