まず一つのやり方の極意を会得して確実にものにするために鍛錬すること

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●企業システム戦略　五輪書　水之巻　一つの打ちという事
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「一つの打ちという心をもって、確実に勝つところを得取するのである。兵法をよく学ばないと心得ることはできない。

この意義、よく鍛練することが、兵法、心のままになって、思うままに勝つ道である。よくよく稽古すべし。」

今回も、具体的な兵法の技術については、語っていません。

水之巻は、最初に書いているように、水を手本として利益のある方法を行う二天一流の太刀すじを書いたものです。

そして、その方法は、一人の敵でも万人の敵でも同じように見ることが大切です。

つまり、水のように千変万化する変化自在の太刀すじについて具体的に記述してきたものの、それをマニュアル的に読むのではなく、本質的なところを理解し、よく鍛錬すれば、一人でも万人でも勝てるような兵法の極意が会得できると言うわけですね。

「一つの打ち」というのは、いろいろな打ち（太刀筋）がある中での、一つの打ちの「極意」とか「真理」とか言う意味で使われているのだと思います。

いろいろな打ち方（太刀筋）があるけれども、その中で「一つの打ち」の「極意」とか「真理」を会得すれば、心のままに、思うままに勝てるということです。

そのためには、いろいろなやり方や理論をよく学び、その学んだことをよく鍛錬し、よくよく鍛錬する必要があります。実践あるのみ！

一芸に秀でたものは、何をやっても、それなりにこなすというのも同じような意味でしょう。

これを、マニュアル的に文書にすることはできませんし、例え、そのようなマニュアルがあったとしても、マニュアルどうりにやるだけでは、会得できるものではありません。

マニュルに書かれていることの意義をよく理解し、その上で、よく鍛錬し、よくよく稽古しなければなりません。

そのような意味を込めて、武蔵は、水之巻の終わりに、このような節を綴ったのではないでしょうか。

企業システムの極意を会得するにも、マニュアルを読んで分かったような気になるのでなく、実践することが大切ですよね。

トヨタ生産方式について書かれた本は沢山ありますし、導入のコンサルタントもいます。しかし、トヨタ生産方式を導入して、定着することのできる会社は１０％以下だそうです。

導入当初は、解説本の輪読やコンサルタントの指導で分かった気になっていても、すこし時間が経ち、
コンサルタントがいなくなると、元に戻ってしまうか、自分たちで勝手に歪曲して、似非トヨタ方式になってしまうそうです。

ソリューションなども、分かった気になって導入してはみても実際に使いこなして定着するのは、簡単ではありません。

”導入”成功事例などは、巷にあふれていますが、”運用”成功事例や業績回復事例は、それほど多くないものです。

どんな方式やソリューションでも、徹底的に使い倒して、「極意」を会得すれば、世の中にあふれるソリューションや他社のやり方に振り回されずに、自社だけの「一つの打ち」が完成し、思うように勝てるようになるのかもしれません。

そのような極意を会得した元気な会社が以下で紹介されています。

デジタルトランスフォーメーション銘柄
経済産業省はデジタル技術を前提として、ビジネスモデル等を抜本的に変革し、新たな成長・競争力強化につなげていく「デジタルトランスフォーメーション（DX）」に取り組む企業を、「デジタルトランスフォーメーション銘柄（DX銘柄）」として選定している。