プロジェクト計画は、まずスコープを決める！

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プロジェクトを立ち上げる時には成功に向けて様々なことを考え、議論しながらプロジェクト計画を練っていくことになる。

この時、何をどのような順番で考えていけばよいだろう。それについてPMBOKなどプロジェクト管理の教科書を紐解いてもなかなかよいガイドラインが見当たらない。

関係者が集まり、このプロジェクトは「成功するか失敗するか」をいきなり議論し始めても雲をつかむような話で、経験と勘と度胸で考えは一向にまとまらない。

そうかと思えば、これも多くは過去の経験からタスクリストやスケジュールの「たたき台のたたき台」のような素案を作成して議論を始める。

しかし、これもタスクリストやスケジュールに対する妥当性が評価できないので、結局、関係者が持ち寄った経験と勘で議論が錯綜して決まらない。最後はプロジェクトマネジャーの度胸が頼りだったりする。

このようなことにならないようにするには、まずスコープを決めることから始めると良い。システム化の対象範囲を全社とするか部門とするか、あるいは社外まで含めるのかやどの業務範囲を対象とするかなどだ。

ちなみに、業務範囲はバリューチェーンやサプライチェーンなどを見て決めていくとよいだろう。

ちょうど旅行に行くときに世界一周なのか欧州なのか国内周遊なのか北海道なのかという感じだ。これにより旅費や旅程、利害関係者、道具やリスクなどが変わってくる。

スコープが決まれば、その規模に応じてリソースやスケジュール、利害関係者などが考えやすくなるはずだ。

前述したようにプロジェクト計画の議論が錯綜・紛糾するのはスコープが漠然としており、人それぞれに異なっているためであることが多い。

一端、スコープが決まりプロジェクト計画を考えていくことになるが、ここで一つ注意しておきたいのは、スコープに対するリスク（バラツキ）管理だ。

一度決めたスコープが唯一無二で全く変わらないと思い込んでプロジェクトを計画して推進していくと、途中でスコープが拡大した場合の対応が難しく、プロジェクトが硬直的になる恐れがある。

例えば、利害関係者の取りこぼしなどだ。スコープの外側にいる人たちだから関係がないと思い込んでいたら、途中で関係することが分かりスコープが広がってしまうことがある。

そうなるとリソースやスケジュールなどが影響を受け、場合によっては逼迫することになりかねない。

一端、スコープが決まったら、拡大リスク（バラツキ）を想定して、それに応じてリソースやスケジュールに安全余裕（バッファ）を考慮しておくとよい。

万一、スコープが途中で拡大しても安全余裕（バッファ）があれば、その中で吸収できる可能性がある。

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●企業システム戦略孫子の兵法　軍形篇　その７
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兵法は、一に度、二に量、三に数、四に称、五に勝

地は度を生じ、度は量を生じ、量は数を生じ、数は称を生じ、称は勝を生ず