我が社の特徴！が歪みを生んでいないか？一度、標準に立ち返り歪みを正してみては

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DXの推進に伴いレガシシステムをパッケージで刷新する企業が増えている。その場合、パッケージの標準機能に業務を合わせる「Fit to standard」による導入を希望する企業が増えている。

これまで業務の細部にまでシステムを合わせて作り込んだ結果、がんじがらめで融通の利かないレガシシステムを生んだことを反省してのことだ。

この「Fit to standard」でも一応、現行業務のヒアリングを行いFit&Gapを行う。そこで問題なのが「我が社の特徴」に対する推しだ。

レガシシステムの問題は認識しつつも、やはり愛着があるのだろう。現行業務がどれほど素晴らしいか、他社とは違うかを推す人たちがいる。

彼らは現行業務を良く知っており、その背景や沿革も知っているベテランであることが多い。

頭では「Fit to standard」を理解してはいるものの、いざヒアリングとなれば現行業務を自ら否定することなど難しいもの、なかなか一筋縄ではいかない。

しかし、残念なことに「我が社の特徴」は業界標準でもなんでもない。それに合わせて作り込んだレガシシステムは瀕死の状態だ。

業務もシステムも世の中の標準からすれば歪んだ異形のものになってしまっている。そのことを忘れてはならない。

「我が社の特徴」を推してパッケージをそれに合わせるようなことになれば同じことを繰り返すことになる。「Fit to standard」とはかけ離れたものになってしまう。

最悪の場合、導入ベンダから御社の業務は特殊なのでパッケージの標準機能では対応できない、「Fit to standard」での導入は不可能ですと言われてしまう。

まさかスクラッチで「我が社の特徴」に合わせたシステムを再構築するつもりなのだろうか？！

それが真に唯一無二、他社を抜きんでた企業競争力になっているのなら良いかもしれないが、恐らくそうではないだろう。単に異端であり、歪んだ非標準であり、むしろ世の中から後れをとることになる可能性が高い。

自社を取り巻くサプライチェーンにある各社にも「我が社の特徴」（という歪みや異形）を押し付けることにもなりかねない。

市販のパッケージ製品で「我が社の特徴」に合うものは無い、など否定的な発言を繰り返す前に、パッケージの標準機能でどうしたら事業遂行できるのかに知恵を絞るべきである。

それが「Fit to standard」の目的であり、現行業務とレガシシステムの歪みを矯正して正しい姿に向かうきっかけとなる。一度、標準に立ち返り歪みを正してみてはいかがだろう。「我が社の特徴」を推すのはそれからでも遅くはない。

身なりを整え、「我が社の特徴」に固執する心を整え、姿勢を整えてこそ真に強い柔軟な業務とシステムを手に入れることができる。

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　●企業システム戦略　五輪書　水之巻　身なりの事
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顔をうつむかず、あおむかず、かたむかず、ひずまず、目をみださず