WBSはアウトプット（成果物、目的）から考える

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WBS（作業分解）を考えるときに「作業」を分解してないだろうか。例えば、まず要件定義をして、基本設計をしてと大きな作業の流れを考え、次に要件定義や基本設計の作業を細かく分解していくような感じだ。

WBSは作業分解と言うから、このように作業を分解していくことだと思いがちだが、この考え方でWBSを作成すると意外にも、作業に抜け漏れが生じやすい。また、無駄な作業が紛れ込んでしまう可能性もある。

その結果、WBS作成者（通常はリーダ）と各作業担当者の間で作業やその目的に対する認識違いを生じてしまいプロジェクト運営に支障をきたすこともある。

原因は、必要な作業を「アウトプット」（成果物）から考えていないことにある。様々な作業は、結局、何をアウトプットするために必要なのかというように逆から考えるとすっきりする。

例えば、飛行機（アウトプット）を作るには、主翼・胴体・尾翼・垂直翼・エンジンなど（アウトプット）を作る必要がある。構想設計図（アウトプット）を作成し、これらの主要な部位（アウトプット）を決める。そして、主翼（アウトプット）を作るために基本設計図（アウトプット）を作成し、主翼（アウトプット）を構成する組立品（アウトプット）が何かを明確にする。その組立品（アウトプット）を作る為にはどんな部品（アウトプット）が必要になるか詳細設計図（アウトプット）を作成するというように。

まず、アウトプット（目的）を決めてからそれを作るために必要な作業（手段）を考えるようにすればよい。こうすれば、手段が目的化して何をアウトプットするのかがわからなくなる事態を避けることができる。

各作業の担当者も自分が何をアウトプットすればよいのか、作業の目的は何かが明確になるのでブレることがなくなる。最終的にアプトプットが得られるのであれば、作業（手段）自体はある程度、各担当者の裁量に委ねることもできる。

進捗管理においても各作業のアウトプットがどれくらいできているかを測ればよいのでばらつきが少なくなる。むしろ、アウトプットを決めずに作業がどれくらい進んでいるかを測るのは難しい。

このように、WBSはチームを動かすための重要なツールであり地図であるから、チームメンバーが目的地や中間地点（マイルストーン）を見失わないように、アウトプットから考えるのがよい。それにより、メンバーは地図を辿ることで確実に目的地までたどり着くことができる。

目的地が明確になっていれば、途中で道に迷ったとしても大丈夫だ。それぞれが目的に至るまでの道を探して目的を達成するだろう。もし、目的地が明確になっていなければ、一度、道に迷ってしまったらもとに戻ることは難しい。

WBSの検討において、まずリーダがすべき重要なことは、作業（手段）を考えることではなく、アウトプット（目的）をしっかりと決めることなのだ。

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　●企業システム戦略孫子の兵法　謀攻篇　その６
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その将は国の輔なり。輔、周なれば、則ち国必ず強く、輔、隙あれば、則ち国必ず弱し。