しっかりとした目的意識を持って取り組めば、継続的改善につなげることができる

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●企業システム戦略　　　五輪書　水之巻　打つとあたるという事
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「打つということと、あたるということは別のことである。打つというのは、どんな打ちでも、しっかりと意識的に打つということである。

あたるというのは、たまたま、あたる感じであり、たとえ敵が死んでしまう程であっても、あたるということに違いはない。

打つというのは、意図して打つことである。

敵の手でも足でも、あたるというのは、まずあたり、あたった後を強く打つためのものである。」

打つとあたるは、違うものだと言っています。

どのような効果が出たとしても、意図せずに、たまたま得られた効果であれば、それは、あたるということです。

打つというからには、意図を持ってして、しっかりと行動することだと言うわけです。

「７つの習慣」という本の中に、第一の習慣として「目的を持ってはじめる」とあるのが「打つ」ですね。

一見、あたりまえのようですが、これがなかなかどうして。

私の担当している業務システムの開発でも、何の目的で、そのシステムを開発するのかよく分からなく
なることがあります。

例えば、品質向上を目的として、不適合管理システムを構築するのですが、その効果が不適合伝票処理の効率化だったりするのです。

もちろん、紙の伝票を電子化してワークフローに乗せれば処理業務の効率化にはなります。しかし、それは本来的な目的ではなかったものです。

そうなると、不適合情報を品質向上に活かすための仕組みよりも伝票をいかに早く処理するかという機能に凝ってみたりします。

大量の不適合を効率的に裁くことが目的ではなく、不適合情報を活用して、不適合そのものを減らさなければ意図した目的は達成できないにもかかわらず。

このようなことは、皆さんの身近でも起こっていませんか？

意図した目的を達成するために、しっかりと「打つ」のではなく、その付随的効果や別の効果にすりかえられたりと「あたる」ようなシステム開発が横行していませんか？

その最たるものが、目的とはあまり関係の無い、画面の見栄えや色使いに固執するというのがあります。

そのようなものが、どれほど利用者にうけようとも、「あたる」でしかないわけです。

こうした、本来的な目的とは違う部分で、たまたま効果が得られたとしても、意図した結果ではないので、なぜ、その効果が得られたのかが分からないので再現性や継続性がありません。

たとえ思ったような成果があがらなくても、意図した行動の結果であれば、その原因を分析して、継続的に改善することができます。

ＴＱＭ／ＴＰＭの世界で言われている格言に
「定義されないものは、管理できない。」
「管理できないものは、測定できない。」
「測定できないものは、改善しようがない。」
というのがありますが、「定義」するということが意図して「打つ」ということだと思います。

偶然の産物である「あたる」を全く否定する必要はありませんが、偶然の「あたる」だけでは、対象を管理し、結果を測定し改善につなげることができないのです。

宝くじでさえも、よく当たっている人は、ある意図を持って継続的に取組んで（打って）いるようですよ。年末ジャンボ、あたる（打てる）といいですね。

あなたは、打つ人生と、あたる人生とどちらがお好きですか。