成功するプロジェクトに勢いがあるのは、体制をしっかり整えているから

美味しい水をお探しですか？
定額制だからお水は使い放題！全て“月額料金”にコミコミ！
利用料金は業界最安値！

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●企業システム戦略　孫子の兵法　軍形篇　その８
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「勝者の民を戦わすや、積水を千尋の谷に決するがごときは、形なり。」

勝者が兵を戦わせるさまが、満々と蓄えた水を千尋の谷に切って落とすような勢いがあるのは、軍形を整えているからだ。

まさに、”積水を千尋の谷に決するがごとき”とは、目の覚めるような勢いで軍が動く様子が手に取るようです。

このように勝者は、兵を一気に動かせるわけですが、それは、事前の準備をしっかりして、軍形（体勢）を整えているからにほかなりません。

組織を一糸乱れぬように動かすには、相当なベクトル合わせと組織統制が事前に必要です。

そのために、土地の広さをはかり、量をはかり、数をはかり戦力をはかり、勝敗をはかるわけです。

まさに、勝者は”勝つべくして勝つ。”

どのようなプロジェクトにしても、成否は準備段階で、ほぼ決まっているということです。

逆に、敗者は十分な準備もせず、体勢が整っていないうちに動き始めて、その後で必死にもがくわけです。

特に、ＩＴプロジェクトでは、この傾向が強いようです。

目的や要件が定まらず、メンバの士気も上がらないうちにソフト開発に突入して、最後はデスマーチで終わる。

”積水を千尋の谷に決するがごとき”とは、全く逆のことが起きます。

そうならないためには、(R)ＰＭＢＯＫでの「立ち上げ」段階で、十分に準備をして体勢を整え、先々のリスクをできる限り読みきっておくことです。

ここで、点検すべきポイントが９の知識エリアです。

スコープは度。ＱＣＤや調達管理は量。組織・要員管理やコミュニケーション管理は数。統合管理やリスク管理が勝敗と考えることができます。

そうすれば、後は、品質・コスト・納期を適宜、ウォッチし若干の軌道修正すればよいだけです。

”積水を千尋の谷に決するがごとき”勢いでプロジェクトが進行するのを見守っていくだけです。

というのが孫子の理想ですが、なかなか、そこまで最初に読みきるのは難しいものです。

特にＩＴは、扱うものが業務やソフトウェアといった見えない＆触れないものだからなおさらです。

そこで、重要になってくるのがドキュメント・レビューです。

ドキュメントに書き著すことで、要件や設計を見える化し、レビューを行うことで、見えないリスクを見える化し、

水の流れが滞らないように、予め洗い出したリスク（障害）を事前に取り除いていくことが必要なのです。

一度、障害に阻まれて、流れが変わってしまったら、これを元に戻すには、大変な労力が必要になります。（大抵、完全に軌道修正することは不可能です。）

プロジェクトを開始する前には、”積水を千尋の谷に決するがごとき”体勢が整ったかをセキを切り落とす前によーく点検してみましょう。