VUCA時代のDX人材リスクに備える！

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システム構築におけるリスクには、人的リスクがある。そして、人的リスクには、質的リスクと量的リスクがある。

質的にリスクは技術的スキルや人間的スキルがある。量的スキルは仕事量に対する要員数のアンバラスである。

これまでもシステム構築においては、これらの人的リスクは決して低いものではなかった。しかし、VUCA時代のDX人材においては、さらにこれらのリスクが高くなっている。

VUCAとは、Volatility（変動性）、Uncertainty（不確実性）、Complexity（複雑性）、Ambiguity（曖昧性）の頭文字をとったものだ。

・Volatility（変動性）
DXを推進する人材は、質的にも量的にも変動性が大きい。こうすれば必ずうまく行くという保証がないのがDX、いろいろ走りながら考える試行錯誤が必要になる。その結果、必要な技術や必要な要員がコロコロと大きく変わってしまうことがある。

デジタル技術もどんどん変わっていくので、データサイエンティストを育成したり採用しても、それで安泰と言うことにはならない。全社員をリスキリングしてDX人材とする取り組みをしている企業もあるが、はたしてそれがほんとうに必要なのかはまだまだ分からない。もしかしたら無駄な教育投資になる可能性だってある。

・Uncertainty（不確実性）
高額な年俸で採用したDX人材ははたしてどれくらいの成果につながるだろうか？それも不確実である。じゃあ、リスクキリングなど一切せず、いまのままで社内のDX人材は十分なのか。

質的なリスクは？量的なリスクは？それも不確実である。DX人材に投資するかしないか、どれくらい投資すればよいのか、それを判断することが難しい状況になっている。

・Complexity（複雑性）
DXを推進するのは単純ではない。一昔前のシステム化なら単純な作業をコンピュータで自動化すればよかった。条件と計算式を決めて繰り返すためのプログラムを作れば、それで意図したようにコンピュータは大量の仕事を素早くこなしてくれた。その処理過程や結果は明確だ。

しかし、DXにおける要求事項は複雑だ。そしてAIなどでは処理過程も単純ではない。そのような複雑な技術を扱い新しいビジネスにつなげていくために必要な技術力や人間力、チームの要員構成は複雑になる。

・Ambiguity（曖昧性）
Volatility（変動性）、Uncertainty（不確実性）、Complexity（複雑性）が高いDXを推進する上で、これらを全て明確に定義することは難しい。ある程度の曖昧性を受け入れた上で進めていく必要がある。

曖昧な部分を残した技術やコミュニケーション、課題定義、要員配置や要員数など、これらを過度にストレスと感じず、また必要以上にいいかげんに向き合うのでもなく、丁度良いバランスを取っていくのはなかなか難しい。

このようなVUCA時代のDX人材リスクに備えるには、平常心が重要である。なにか変動があったり、不確実や複雑なことでトラブルがあったり、曖昧さを責めたり、右往左往しないようにしたいものだ。

常にVUCAを意識して、特定のDX人材に偏ったり、固執しないようにすること。

例えば、高額な報酬で採用したDX人材に固執すると、すでに必要なスキルが変動しているのに柔軟に対応することができなかったりする。それでは企業にとってもDX人材にとっても好ましくない。

あるいは「せっかく全社員をリスクリングしたのだから」と思うと、何が何でも全員をDXに取り組ませようとしたり、成果を出すことを強要したりして、貴重な人材の流出やモチベーション低下を招くリスクがある。

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　心の持ちようは、常とかわることなかれ
　　
　常にも、兵法の時にも、少しもかわらずして