軽量システムを有機的に連合させて、全体としては大きな流れが統一されている状態が理想的

美味しい水をお探しですか？
定額制だからお水は使い放題！全て“月額料金”にコミコミ！
利用料金は業界最安値！

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●企業システム戦略　五輪書　水之巻　流水の打ちという事
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「流水の打ちといい、敵と相対して競り合う時、

敵が早く引こう、早くはずそう、早く太刀をはねのけようとする時、

自分は身も心も大きくもって、太刀を身体よりも後にして、

いかにもゆっくりと、流れによどみのあるように大きく強く打つこと也。

この時、敵の位置をよく見分けることが肝要」

流水の打ちは、間をはずす、相手のペースを崩すという技です。

相手と均衡して競り合っている時に、どちらも気が焦って、早く早くと動くものです。

しかし、その動きに乗らずに、身体の動きも心も大きくゆったりと構えて、「流れによどみのあるように」大きく強く働かせる技を説明しています。

間をはずすには、相手の位置をよく見分けて「間合い」を計ることが肝要だということになりますね。

互いに競り合っている最中に、間をはずして、ゆっくり動くのは非常に危険で、間合いを読み違えると大怪我をします。

企業システムも、様々な内外からのノイズにさらされて緊迫するような状況があります。

そのようなときに、細かなノイズに逐一反応して混乱を招くことも少なくありません。

目前の火消しも大切ですが、ゆったりと長期的視野に立って、火種を根本的に消すための施策を考えてみることも大切ですね。

日々の改善は、小さく早いフィードバックを回していくのですが、それとは別の中長期戦略が「流水の打ち」にあたるのでしょう。

システムを設計するときには、俊敏にフィードバックがかけられると同時に、大きなフィードバックもかけられるように設計しましょう。

ひとつひとつのシステムは、小回りの利く軽量なシステムとして、それらを有機的に連合させて、企業システム全体としては、長期的なビジョンに向かって大きな流れが統一されている状態が理想的です。

ここでいうシステムには、組織体制や人なども含まれます。

小さなフィードバックループを回す組織と、大きなフィードバックループを回す組織。

一人一人の行動を取ってみても、日々の改善を俊敏に行いながらも、それだけに終始せず、長期的な視野を持って大きな改善につなげてゆくとか。

情報システムなども最近は、ビジネスの変化に合わせて、軽量システムを短期間で開発する傾向にありますが、これとは別に、少し離れたところからビジネスの大きな流れを読んで、ゆったりと基幹システムを整備していくことも肝要です。

こういった判断や方向性を考えるのも、すべて「人」です。

日々のビジネスに対応するために、軽量システムばかり短期開発を要求していると、１０年後に振り返ったときには、根っこの無いペンペン草のようなシステムばかりで、何も残っていないと言う寂しい結果に終わるような気がします。

しかし、現実には中長期的な検討をしたくても、日々の仕事や対応に追われて、なかなか手が出せないということが多いものです。

そのような時に、キーマンを現場から引き抜いて、業務改革プロジェクトに専任させるというのはマネジメントの重要な判断です。

キーマンを抜いて明日の仕事が止まっては、中長期的な改善も意味がありません。だからといって、目前の火消しだけでは将来が無い。

いつやるのか、仕掛けるタイミングが難しい。「流水の打ち」は「敵の位置をよく見分けることが肝要」です。