システムが古くても蓄積されたデータを再生し活用すれば新たな価値を生む可能性がある

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●企業システム戦略　五輪書　水之巻　心をさすという事　
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「心（心臓）をさすというのは、戦っている内に、上も、脇を詰まった所など、斬る事がいずれも成しえない時、敵の心臓をつく事である。

敵の打つ太刀を外す気持ちで、我太刀の背を真っ直ぐ敵に見せるように、太刀先が歪まないように引き、敵の胸をつく。

もし、くたびれた時か、刀のきれなくなった時などにも、有効な手段である。」

戦いの最中に、立場が悪くなった時や、疲れ果てたり、主戦力が衰えた時など、行き詰った時の起死回生の一手として、心臓を突く技を解説しています。

主戦力の太刀は、本来、振りかざして斬るように使うものですが場所が狭く、そのように使えない時や
疲れたり、刃が欠けたりして、使えない時に、それでも「勝つ」という執念で、相手の心臓を一突きにする手段を解説しているところ、武蔵の「勝負」に対する哲学を感じますね。

企業システムにおいても、主戦力がダメであっても、やれることは全部やる、最後の最後まで諦めない執念が必要かと。

例えば、これまで多額の投資をしてきたＩＴ資産があると思います。それらの中には、もう古くなってしまい、使い物にならなくなってしまったような主力の基幹システムがあるかもしれません。

そうかといって、また、多額の投資をして一から再構築するのも、相当大変で、疲れます。にっちもさっちも行かない、手詰まりの状態です。

そんな時には、そのＩＴ資産に蓄積されている膨大なデータ＝情報資産の新しい使い道を考えては
いかがでしょう。

例えば、これまで古い設計管理システムに入力して蓄えてきた製品設計情報などです。

このデータを取り出して、最新のデータベースに入れ直すことで検索の自由度があがり、設計者がパソコンから設計情報を容易に取り出すことができるようになります。

その結果、新しい設計をする時に、部品の再利用性を高めたり新しいアイデアを創出するなど、古い設計管理システムの従来の使用目的とは、異なる新たな付加価値が生まれる可能性もあります。

確かに古くて手の付けられなくなったシステムのプログラムは、今の経営環境に合わないために、これを使うのは疲れますし、新しい価値を生まないかもしれません。

しかし、そこに蓄積された膨大なデータは、使い方によっては起死回生の必殺手段になるかもしれませんよ。