真に強力なシステムは環境変化に即応して、個々の要素が独立して自在に動くことができる

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　●企業システム戦略五輪書　水之巻　太刀にかわる身と云ふ事
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「身にかわる太刀ともいう。

総じて、敵を打つ時に、太刀と身体と、同時には打たないものだ。敵の出方により、身体が先に打つ体勢になり、太刀は、身体とは別に打つのである。

もしくは、身体を動かさずに、太刀だけで打つ事はあっても大抵は身体が先で、太刀は後から打つものである。」

　ここでは、太刀（道具）と身体の関係について述べています。

　身体の動きとは別に、道具である太刀だけが独立して、まるで生き物のように自在に動いている状況を想像してみて下さい。

　このような状況は、道具と身体が一体化して動いているような状況、それよりも、さらに進んだ段階です。

　どこにも心を留めず、道具を扱おうとする意識的な心さえも無く、身体の動きにつれて、自然に道具が動きます。

　企業システムでは、身体を組織体制に置き換えて見てください。

先に組織体制が臨戦状態になってから、それにはかまわず様々な道具が自律的に動き出すような状態です。　　

　　スポーツで言えば、サッカーに似ています。

　チームの状態が、ゲームに臨んで一つになった後は、選手一人一人が自律的に、自在に動いて勝利に導くように働きます。

　これに対し、野球のように、監督が指示を出し選手がそれに従って働くのは、体制と道具の一体化です。　

　今日のようにゲームの流れが早く、状況がコロコロ変わるような経営環境では、サッカーチームのような企業システムが効果的ではないでしょうか？

　すなわち、武蔵の言う「太刀にかわる身」です。

　このように敵（市場や競合相手）の出方に応じて、組織体制を整えて臨戦態勢にしたら（ビジョンと戦略を示したら）、後は、個々人が自律的に動いていけるような経営を「アメーバ型」経営とも言うそうです。

　無秩序な個別最適状態から、集中管理された一体化組織へと変革し、さらにもう一度、分裂させて、しかも全体最適（進化）に向かうように組織化された高度なシステムが「太刀にかわる身」です。

目指すアメーバ型組織　
　指揮者のいないオーケストラ　オルフェウス室内管弦楽団

人は誰もがリーダーである　　平尾誠二

 アメーバ経営―ひとりひとりの社員が主役　　稲盛和夫

 競争に打ち勝つアメーバー戦略　村田保次