◆プロジェクトの目的を明確化するには?

企業システム戦略

◆ビジョン
 とにもかくにも、これ。ビジョンが必要である。目的地を決めずに、フラリと出かける気楽な旅行は楽しいものであれが、システム構築においては、絶対にやってはならない。ところが、意外にこのようにプロジェクトをなんとなく、世情に流されて始めてしまい、途中で迷走しているプロジェクトが少なくない。趣味で、システムを構築するならそれでも良いが、会社が競争を戦うための道具としてシステムを構築するのなら、その使用目的を関係者に、はっきり示すべきである。

 ビジョンは、プロジェクトの目的を明確にし、士気を高め、集中力を高める。最小の投資で、最大の効果を生むためには必須のものである。情報を使って、なにがしたいのか。その先には、いったい何があるのか。それが、効率化や人員削減では、士気も揚がらない。そのようなプロジェクトでは、最終目的に到達するまでに、回り道が多く、ムダな会議や調整ばかりが行われ、とても、最短コース(最小の投資)で、効率良く走ることなどでき ない。

 空手道の技は、体の小さいものでも、最小の努力で、最大の破壊力を生み、相手を一撃で倒すように工夫されているが、そのエッセンスは、拳を相手に対して最短コースで到達するように真直ぐ繰り出すのである。脇が甘く、拳の軌跡が弧を描くようでは、力が分散されて最大の破壊力を生むことは出来ない。

 船長が船の進むべき方向を示すのと同様、ビジョンを示すのは、組織の頂点に立つ者の責務であると思う。それを、企画室などのスタッフにお任せしているようでは、心もとない。「ITの本質」を見極め、自社の経営にとって、どんな「読み・書き・そろばん」が必要であるのか知恵を絞って考えてみてはいかがだろう。そこには、決して難しいIT用語や知識は必要無いはずである。 

■目次:システム開発する前に知っておくべきこと83項目

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