プロジェクトマネジャーが要員管理を行う上で心がけるべきことを大工の統領に例えるとどうなるか、宮本武蔵が五輪書の中で地之巻に書いています。どうしたら生産性の高いチームを作れるかという事、どうすればチームに良い仕事をしてもらえるかということ。
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五輪書 地之巻 大工にたとへたる事 統領の心がけ
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「統領が大工を使うにあたっては、腕前の上中下を知り、あるいは床廻り、あるいは戸障子、あるいは鴨居、敷居、天井というように、それぞれに応じて使う。
腕の悪いものには根太を張らせ、もっと悪い者には、くさびを削らせるなど、よく人を見分けて使えば、仕事の能率があがって手際よくいくものである。
仕事の能率がよく、手際がよいということ、何事も気をゆるめないこと、大切なところを知ること、気力の上中下を見きわめること、勢いをつけるということ、無理を心得るということ。
このようなことが、統領の心がけるべきことである。」
武蔵は、兵法の道理を、大工にたとえへこのように著したのです。統領の心がけも、兵法における大将の心がけも同じように捉えて、分かりやすく説明したのです。
とはいえ、人材(財(たから))の適材適所、モチベーション向上等は「言うは易く、行うは難し」なんですけどね。
ちなみに、これをアナロジー(類似性)を使うといって、戦略コンサルタントなどが、思考法としてよく使う手法です。
我々は、武蔵の教えを企業システム戦略に対するアナロジーとして応用してみましょう。
「木くばり」も適材適所についての例えですが、あえて、人材登用について、わざわざ、例え話を描いたのは、兵法においても、兵の登用が重要であるからなのだと思います。
もちろん、企業システム戦略においても人材登用(配置)は、最重要課題です。
「組織は戦略に従う」と言う言葉は、戦略が決まれば、自然に組織はそれに従うものということですが、逆に「戦略は組織に従う」と言うという言葉もあります。
例えば、適材適所でない組織構造や人員配置が、取りえる戦略を制約してしまうという意味です。
自社の人的資源(組織構造、人員配置)を適材適所にして、経営戦略と整合させ、最小の入力で、最大の出力(戦略的成功)を得られるような企業システムを運営するための戦略手法としてBSC(バランススコアカードとHRM(ヒューマン・リソースマネジメント)があります。
バランススコアカードで、経営戦略を「組織と学習(個人目標)」までブレークダウンし、HRMで人的資源情報を”管理”します。
*企業システムにおける”管理”
一、入出力の変換効率を最大化する
一、外乱に強く、安定して出力する
これは、従来の人事管理とは、似て異なるものです。
重点ポイント
「経営戦略遂行に必要な人材を定義し、各個人の腕前の上中下を知り、気力の上中下を見きわめること、勢いをつけるということ、無理を心得る」ということです。
経営戦略、受注引合いや納期において ”無理を心得る”には、経営戦略と人的資源のバランスを一元的に、戦略中枢組織(企業システムの中央制御装置)が掌握していなければなりません。
そうなっておらずに、人材採用や人材配置について、各部門からの要求をとりまとめて、割り振ると言う従来のやり方では、全体最適な人材戦略をとることは難しくなります。
また、状況変化に合わせて、陣容を柔軟かつ迅速に変化させることも難しくなります。(戦略が、組織に制約されます。)
第一に、経営戦略と人材配置を整合させ、全体最適な配置を考えると言うようなミッションを持った組織(統領、中央制御装置)が存在しないこともあります。
経営者が、統領のミッションを担っているところは良いのですが、少し組織人員が大きくなり、人事や総務といったところに任せてしまっているところでは、人事部門が、中央制御装置として、戦略的に人材採用、人員配置を行っているでしょうか。
大工の統領と同じように、100人、1000人~規模の組織でも全体最適かつダイナミックに人材戦略を考えるには、やはり、IT(情報戦術)によって、個々人の力量を見える化し、適時、最新状態の人材情報を、経営者や戦略的人事部門が掌握することが重要です。
また、TOC(制約理論)で言われるように、システムのスループットは、ボトルネック資源の能力に従うということであれば、人的資源にもボトルネックが存在し、制約になるはずです。
全体最適、スループット最大化を図るには、ボトルネックを見つけて制御しなければなりませんが、全体のどこがボトルネックかを見つけるには、全体を一望できなければなりませんね。
図でまとめてみましょう。
入力 処理 出力
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市場環境 →| 統領 | 戦略的
受注・納期 →| 経営者 |→ 人材採用 経営戦略~
経営戦略 →| 戦略的人事部門 |→ 人材配置 → 個人目標まで
各個人力量 →| |→ 教育計画 各レベルでの
| BSC、HRM | 達成度
-----ーーーー ↓
↑ ↑ モニタリング
| | ボトルネック発見
| | ↓
| ーーーーフィードバックーーーー
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