危険予知でリスクを回避すれば、千里の道を進んでも労しない

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●企業システム戦略　孫子の兵法　虚実篇その３
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「その必ず趨く所に出でて、その意わざる所に趨く。行くこと千里にして労せざる者は、無人の地を行けばなり。

攻めて必ず取る者は、その守らざる所を攻むればなり。守りて必ず固き者は、その攻めざる所を守ればなり。

故に善く攻むる者には、敵、その守る所を知らず。善く守る者には、敵、その攻むる所を知らず。

微なるかな微なるかな、無形に至る。神なるかな神なるかな、無声に至る。故によく敵の司命たり。」

敵が行きそうなところに必ず出現し、思いもしないところに行く。千里の道を進んでも労しないのは、無人の地を行くからである。

攻めて必ず勝てる者は、敵が守らない所を攻めればである。守れば必ず固い者は、敵が攻めない所を守ればである。

故に、善く攻める者に対しては、敵はその守る所が分からない。善く守る者に対しては、敵はその攻める所が分からない。

さてさて微なところ、最終的には無形になる。さてさて神のように、最終的には無声になる。そうすれば、敵の司命たりえるのである。

孫子の兵法は、あくまで”戦わずして勝つ”です。そのためには、正面激突はなんとしても避けるべきであり、あらゆる手段を講じて、裏をかく作戦です。

徹底したリスクマネジメントと言ってもよいでしょう。

問題の起こりそうなところに先回りして出現し、問題に気がついていないところに行く。

そもそも問題の起こらないところを歩むのだから、千里の道を歩んでも労せずです。

全てのリスクを洗い出して、事前に対策を打っておき、それが、全て的中すれば、これほど楽なことはありませんね。

現実には、なかなか難しいもの。特に昨今のように環境変化が激しいとなおさらですね。

まさに、神なるかな神なるかな。

だからこそ、情報収集が大事になってきます。特に障害になりそうな情報は積極的に集めましょう。

障害のないところを攻めるのだから必ず突破できますし、障害のないところを守るのだから必然的に守りは固くなります。

このように巧者に対しては、一見、つかみ所の無い感じをうけるものです。

いろんなデータを単に収集するだけでなく、それらのデータで、問題や障害の有無を見える化するのがＢＳＣやポートフォリオ、各種分布図などです。

これらのフレームワーク上にデータをマッピングすることで、どこに地雷があるかが見える化できるので、そこを避けて通ったり、そこの守りを固めたりできます。

このマップは、経営層も現場も地雷の存在を共通認識できる指標とすることで、現場が自律的に改善を進められるようになります。

例えば、商品別顧客層別の売上げ／利益やリピート率などを、ポートフォリオにプロットしてみるとか。

このようなことは、アナログ（人手）でもできますが、やはり、ＩＴを活用した方がデータ分析は効率的です。

ＩＴやデジタル技術を使用し、さまざまな分析やシミュレーションをすることで、現場が、問題や障害を事前に掌握し、変化自在に自律行動できる柔らかい組織。

DXでは単なる効率化ではなく、デジタル技術による人知が及ばない先見の明を得て、神対応ができるようなことを目指すべき

それが、無形。無形の形。構え有って構え無し。無声。号令無し。指示待ち族無し。

企業システムがこうなってくれば、環境激化や問題に振り回されず、主導的な立場で、持続的成長、企業価値最大化が図れます。