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◆システムの投資対効果は利益だけか?

企業システム戦略

◆利益が全てか
 不況の影響もあり、IT投資に対して消極的な企業が多いと聞く。確かに、システムによる成果として、はっきり利益金額として得られるケースは少ない。なぜなら、「ITの本質」でも述べたように、「読み・書き・そろばん」をいくら機械化・自動化したところで、それだけで売上が増えたり、製造コストや在庫が縮減できるはずがない。

 出力として得た情報を、どうやって利益につなげるのか。あるいは、逆に、利益をあげるためにはどんな情報が出力されるべきか。ここのシナリオ・戦略を、しっかり検証しておかないと、ITは、金食い虫で、儲からない。経営が苦しいときは、まず、ここを縮小しようとなるわけである。

 はたして、それで良いのであろうか。情報は、現代の企業経営には無くてはならないものである。作れば売れる時代には、波に乗って、黙々と生産効率さえ追求していれば良かったかもしれない。しかし、現代は、先の見えない雲の中を飛んでいる飛行機のようなものだ。レーダを使って、情報を逐次入手し、状況変化に合わせて、飛行方向を常に舵取りしながら進まなければならない。

 企業経営にとってITは、単に社内の定型的な「読み・書き・そろばん」業務を機械化して効率をあげるだけの道具ではなく、外部の情報に対する「読み・書き・そろばん」を実行するレーダのようなものである。また、社内においても非定形なノウハウや知識といった情報に対して「読み・書き・そろばん」を実行し、競争力強化や人材育成、アイデア創出といったことにつながる道具でもある。

 ITを活かすも殺すも使い方しだいなのである。にもかかわらず、単にITが利益に直結しないという理由で、投資を極端に絞ってしまって良いのだろうか。水は、根から吸い上げられ、葉によって光合成が行われて、樹木の生長に寄与できる。水が、直接、果実にならないからといって止めたり、絞ったりしたのでは、樹木は立ち枯れてしまう。

 バブルのころに、多額のIT投資をして、その余波をいまだに解消しきれずに、不良IT資産をかかえている企業にとっては、さらなる投資は厳しいものであろう。しかし、だからこそ「ITの本質」を見極め、知恵を絞って、最小の投資で、ここぞというところで情報を活用し、最大の効果をあげるシステムを構築しなければならない。

 そのためには、ITの効果を、直接的な利益(業務効率化)だけで測るのではなく、次 に紹介する「ITバランススコアカード」などを利用して、多面的に評価してみてはいかがだろう。ITで業務効率化して、人を減らせば、たしかに目先の利益は出るだろう。しかし、それだけでは、あまりに悲しい。ITは、情報を用いて、人間を幸せにする技術であってほしい。決して、リストラの道具ではないはずである。

 例えば、1時間の作業を、ITで0.5時間にすると効率化できるというシナリオでは、人は減らない。かといって、浮いた0.5時間を使って、さらに付加価値の高い仕事ができるという保証もない。ITを業務効率化の道具としか見られない発想では、限界がある。情報をいかに活用して、経営品質を改善していくかが問われているのである。これが、経営者にとっての、情報リテラシ「読み・書き・そろばん」なのである。あなたは、どんな「そろばん」を弾くのか。 

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