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●企業システム戦略 兵法三十六計 混戦の計 第二十計 混水摸魚
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混水摸魚(こんすいぼぎょ) 「水を混ぜて魚を摸(と)る」
水をかき混ぜて魚が混乱しているときに、その魚を狙って捕まえるという意味。
敵の内部を混乱させて(混水)、弱体化したり、作戦行動を誤らせたり、我の望む行動を取らせるよう仕向ける戦術。
趁火打劫を主に敵の外患に乗じて攻めることを主眼にすると解すれば、混水摸魚は敵の内患を作出してそれに乗じるものとも言える。
敵に混乱を引き起こす、混乱したら敵は率いるものの声が隅々まで届かず必ず弱体化する。それは、夕方になれば家に帰って、のんびりくつろぐようなものだ。
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
どんなに腹心の部下であっても、悪い情報(ノイズ)を吹き込まれれば、疑念が生じてしまうものです。
それほど、人間のコミュニケーション・システムは脆弱なものです。
ノイズによって、アウトプットが大きく左右されます。
いろいろな情報が錯綜すれば、何が真実か分からなくなり、行動を躊躇したり、逆に、促進したりします。
そこを突いて、望む方向に相手を動かすというのが、この作戦です。
陽明の例では、”腹心の部下が裏切って、自分を亡き者にしようとしている”という偽りの情報を流し、足止めをしたのです。
新しい仕組みやソリューションの導入に対し、ネガティブな情報ばかりを流布すれば、動きは遅くなります。そのような情報は、被害妄想だと切り捨て断行するのは、よほどの勇気が必要です。
もし、失敗すれば「それみたことか」と言われてしまうからです。
逆に、よい面ばかりを流布すれば、動きは促進できますが失敗に対するリスク管理が甘くなります。
情報システムの要件定義でも、ある機能が必要かどうかという議論が、よくあります。そこでも、”現場”では、その機能が無ければ仕事が”できない”との意見がでます。
”現場が”、”できない”なかなかの殺し文句ですね。
これを聞いた人は、少なからず混乱します。現場が言うなら。。。と、その機能盛り込む方向に合意が形成されていくのです。
あるいは、”社長が必要と言っている”なども、よく使われる殺し文句です。
これも反対派は、混乱を生じます。特に、社長の真意を汲もうとせず、表面的に上を見てご機嫌取りをする人達。
社長が欲しいのは”機能”(手段)ではなく、ビジネス価値なのですけどね。。。
先日も、ある業務システムで、管理部門の人がステータス管理を強化するために自動的にフォローアップメールを送る機能が必要だと主張しました。
「作業遅れが常態化しており、毎日、フォローアップメールを送るのが大変で、いまのままでは、フォローすることができない。さらなる増員が必要になり、大変なことになる。プロマネからも、何とかするように言われている。」とのことでした。
これに対し、
作業者は遅れていることは分かっている、機械的なフォローアップメールなどは、読まずに捨てるでしょうとのコメントがありました。(実際は、捨てないかもしれませんが。)
”頻繁にフォローすれば、促進する”と思い込んでいた管理部門の人は混乱し、再検討することになりました。
このように、相手(の思考)を混乱に落としいれ、望む方向へ動かそうとする場面には少なからず出くわすものです。
”嘘も、方便”
ノイズを与えることとで、重大なリスクを回避したり、アウトプットを後押しできるなら、結果よければ、終わりよし。
将来に禍根を残さないように使いましょう。
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