ビジョン達成に向けて戦略を実行したら、退路を断って後戻りできないようにする

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●企業システム戦略　兵法三十六計　併戦の　計第二十八計　上屋抽梯
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上屋抽梯（じょうおくちゅうてい）

「屋（おく）に上げて梯（はしご）を抽（はず）す。」

屋根に上らせてから梯子を外せば敵は下りたくとも下りられない。飛び降りれば怪我をする。

すなわち敵の自縄自縛を促しそれに乗じる計略。

たくみな宣伝・説得によって敵を欺き、そそのかして行動させる。

そして、援助や補給が断たれる状況、逃げられない状況に敵を追い込んで自傷行為に及ばせたり、攻撃して損害を与える。

この計は、敵を利益でそそのかし、敵に実力以上の行動をさせることが要点。

わざとスキを見せて敵を誘い込み後続を断って死地に追い込む。そんな結果になるのも相手がこちらの撒いた毒入りの餌に飛びついたからである。

出典：フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』より

”梯子を外された”と言いますが、これを意図的におこなう（梯子を外す）作戦です。

ポイントは、如何に意図的に”梯子に上らせるか”です。

誰もが、高いところに上がるのは怖いのですからその恐怖に打ち勝って、梯子を上ってもらわなければ
なりません。

その上で、退路を断って降りられなくする必要があります。

そのためには、まず、梯子を信用してもらうこと。そして、梯子を上ると良いことがあると思ってもらうこと。

例えば、崇高なビジョンや目標に向かって上ってもらうには、そこへ向かう梯子、即ち、戦略が信用に足るものでなければなりません。

その梯子を上っていけば、落ちずに到達できそうだという道筋、それが戦略です。

単に”ｘｘ年後には、売上ｘｘになろう！”という目標だけでそこに上っていくための梯子（戦略）が危なっかしかったり、はっきりしなかったりすれば、だれも、その梯子を上ろうとはしません。

この梯子を創り上げ、見える化するツールが、バランススコアカードの戦略マップなどです。

人材・学習の視点→プロセスの視点→顧客の視点→財務の視点

例えば。蓄積された知識活用するための組織能力を身につければ、研究開発プロセスが高度化する、そうすれば、より顧客満足や付加価値の高い商品を開発できる、その結果、売り上げが向上する。

さらに、この梯子を補完するものとして、ナレッジマネジメントシステムやＣＲＭ，ＰＬＭなどが
あります。

これらのＩＴ戦略（電子梯子）も、経営戦略（梯子）との因果関係が明確に紐ついている必要があります。

例えば、知識を蓄積し組織的に活用するために、ナレッジマネジメントシステムが必要であり、この梯子によって、研究開発プロセスという梯子を補完し、プロセスをより高度化することができるとか。

また、どのような電子梯子にするかといった、要件定義でも、個々の要件や機能が、最終目的に上るために必要であることが紐付けされ、見える化できていることが重要です。

そのためのツールとして、価値工学の機能系統図などがあります。

目的←機能１（目的１）←機能２（目的２）←機能３（目的３）

目的を達成するために機能１が必要。その機能１（目的１）を実現するために機能２と機能３が必要。

例えば。

知識活用←検索機能←知識の蓄積機能 ←知識の分類機能 ←知識の索引機能

そして、最も重要なことは、この梯子を上ったらどんな良いことがあるのか ”ビジョンがしっかりと共有される”ことです。

大義名分を示し、これを共有することは、孫子の兵法でも、始計篇でも謳われています。

一に曰く道

こうして、梯子を上りきって、ビジョンを達成したら、後戻りできないように、梯子を外してしまいましょう。

いつまでも、梯子（既存戦略）をかけたままにしておくと、下へ降りてきてしまいます。
（努力を怠り、低いところに降りていくのが常です。）

つまり、その戦略は忘れて、次の高み（ビジョン）を目指すべく、新たな梯子（戦略）を創るのです。