戦いに勝つために、知っておくべきポイントが５つある

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　●企業システム戦略孫子の兵法　謀攻篇　その７
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「勝を知るに五あり。
戦うべきと戦うべからざるとを知る者は勝つ。
衆寡の用を識る者は勝つ。
上下の欲を同じうする者は勝つ。
虞を以て不虞を待つ者は勝つ。
将の能にして君の御せざる者は勝つ。」

勝つためには、５つのポイントあり。

■戦うべき時と戦べきでない時を知る者は勝つ。
■組織の大小規模に応じた運用を知る者は勝つ。
■組織のベクトルを合わせることができる者は勝つ。
■周到な準備をして、相手の不備を待つ者は勝つ。
■現場リーダが有能で、トップが干渉しない者は勝つ。

一つ目は、いつ戦うべきか、戦うべきでないかを判断・予知・予測できる者は勝つということです。

まずは、ここを抑えなければいけません。

　そして、孫子は、どのようにそれを知るのかということをで始計篇で「道・天・地・将・法」について、比較検討しなさいと教えています。

　
二つ目は、組織の大小規模に応じて、それぞれに合ったやり方を知っている者は勝つということです。

身の丈を知るという言葉もあるように、大には大なりの、小には小なりのやり方というものがあります。

また、相手（市場や課題、システム化範囲等）によって、大きな組織のやり方と小さな組織のやり方を柔軟に変更することができれば、さらに有利です。

相手が変わっているのに、常に大きな組織のやり方、あるいは、小さな組織のやり方で、通り一辺倒にやっていては勝てません。

例えば、システム開発の方法論で最近、主流になりつつあるアジャイルなどにも、ＸＰやスクラム、ＵＰなど様々なものがあります。

対象とするシステム規模やスコープ、開発組織の大小を良く診て適切な方法論を用いなければ、プロジェクトに勝てません。

企業システムを変革するにも、短期的な視点と長期的な視点を持ち、それぞれに応じたやり方で変革を進める必要があるでしょう。

三つ目は、組織化や動機付けの妙を知っている者は勝つということです。

組織が大きくなればなるほど、上から下まで組織構成員の意思統一を図ることは難しくなります。何万人という組織のベクトルを一糸乱れぬように合わせることができれば、怖いものはないでしょう。

トップのメッセージをあらゆる情報伝達手段でシャワーのように組織に注ぎ、タウンミーティングをやり、バランススコアカードや目標管理などのツールを駆使する。

そして、人の動機付けにおけるマズローの五段階欲求などを知る。古今東西の組織論やモチベーション理論を知る。

四つ目は、しっかりとした準備をして、落ち度が無いようにし、相手の不備を待つことを知るものが勝つということです。

例えば、サプライチェーンにおいて、準備をしっかりして、不備＝チェーンの弱いところ＝ボトルネックを集中的に制御するＴＯＣなどを知るものが今日の市場競争で勝てるのです。

あるいは、”あんどん”などの仕掛けをして、不備を顕在化させ、そこを皆で集中的に改善するというのも一つの手です。

また、仕事のやり方やシステムを標準化することで、標準と違う＝不備　を見つけ易くすることができます。

標準化されていないと、不備を待っていても、いつ、どんな不備が起こったのかが分からないので、改善の機を逃し負けてしまいます。

五つ目は、現場リーダとトップの関係がうまく言っている組織は、勝つことができるというものです。

現場リーダが有能であればこそ、トップは安心して任せていられます。そのことで、現場リーダもトップを信頼してついていけます。

逆に無能な現場リーダは心配で、トップが口を出したくなり、そのことが現場リーダの信頼を失い、成長の機会も奪います。

ニワトリが先か卵が先かのようですが、いずれにしても、現場リーダとトップに信頼関係が無ければ、勝てません。

まずは、ビジョンの共鳴から始めることです。

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