組織に勢いを求めるとき、個々の要素が十分能力を発揮し、相乗効果を高められるようにすること

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●企業システム戦略　孫子の兵法　兵勢篇　その１１
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「勢に任ずる者は、その人を戦わしむるや木石を転ずるが如し。木石の性、安なれば則ち静に、危なれば則ち動き、方なれば則ち止まり、円なれば則ち行く。」

勢いに任せるものは、兵を戦わすこと木や石を転がすようである。木や石の性質は、安定すれば静止、不安定なら動く、方形であれば止まり、円形であれば進む。

組織に勢いを求めて戦いに臨む場合、一人一人は、まるで木や石を転がすかのように動かす。木や石というのは、不安定な状況にあれば動くものであるし、円い様相であれば、進むものです。

軍が勢いに乗って攻め込む様子を良くあらわしています。

組織を勢いに任せるには、不安定な状態、転がりやすい状態におくということです。システムも不安定な状況から安定しようと動きます。

そして勢いの乗っているときには、構成要素が全て、目標に向かって走っています。誰一人、止まっている人などいません。システムなら、使われていない機能などありません。

そのような状況にさせるには、大義名分を示し、進むべき方向を示すことが重要です。そういったことを自然にできる人を、”乗せ方がうまい”などといいますね。

乗せるというのは、みんなをその気にさせ、気持ちを高揚させることです。

そのような状態は、安静ではありません。一種のパニック状態、集団心理が働いている状態です。”燃える集団”などと表現されることもありますね。

こういった状態のチームがすばらしいのは、個々人の能力以上の力を発揮するということです。構成要素が互いに影響しあって、相乗効果によって、より大きな力を組織として発揮できるところです。

システムも個々の要素機能が相互に作用しあって、相乗的に大きな力を発揮できるように設計するのが理想です。何十画面あっても、それらがバラバラで分断されたシステムは、使いづらく、勢いに乗って仕事ができません。

そのためには、業務プロセスを価値の流れに沿って整備し、その業務プロセスに紐つくように、各画面を配置します。

知将は、そのようなところを良く理解しているので、組織に勢いを求めるのです。

”勢い”については武蔵も五輪書の中で、”火之巻”の中で、詳しく語っています。
『火は大きくなったり小さくなったり、きわだった勢いを持っているので、それになぞらえて戦いのことを書く』