組織力発揮にはプロジェクト内外のどこで、いつ、何が起きているのかを掌握することが重要

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●企業システム戦略　孫子の兵法　虚実篇　その６
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「故に戦いの地を知り戦いの日を知れば、則ち千里にして会戦すべし。戦いの地を知らず戦いの日を知らざれば、則ち左は右を救うこと能わず、右は左を救うこと能わず、前は後を救うこと能わず、後は前を救うこと能わず。

而るを況や遠き者は数十里、近き者は数里なるをや。

吾れを以てこれを度るに、越人の兵は多しと雖も、亦たなんぞ勝に益せんや。敵は衆しと雖も、闘い無からしむべし。

故にこれを策りて得失の計を知り、これを作して動静の理を知り、これを形して死生の地を知り、之に角れて有余不足の処を知る。」

戦いの場所を知り、戦いの日を知るならば、遠方でも戦うべきである。戦いの場所を知らず、戦いの日を知らなければ、左軍は右軍を、右軍は左軍を助けることができず、前軍は後軍を、後軍は前軍を助けることができない。

まして遠方では数十キロ、近隣でも数キロのことである。

こう考えてみると、越国の兵が多くても、とても勝つことは難しい。敵はたとえ大軍でも無力化してしまうだろ。従って、自他のメリット・デメリットを計り知り、相手の動静を知り、明らかにして地の利を知り、折に触れて過不足を知るのである。

どこで、いつ、問題が起きるのか事前に察知できれば、例え、距離が離れていても大丈夫ということですね。

反対に、どこで、いつ、何が起きるのか分からなければ、近くにいても対策も支援もできません。

これでは、どんな大組織であっても組織力を発揮することはできないでしょう。

これから取り組む問題や課題が、どのような領域（ドメイン）を対象としているか、適切なタイミングはいつかを計ることも大切です。

この場と時の２つを抑えることができれば、主導権を握ることができます。主導権を握ることができれば、ものごとを有利に進められますね。

そもそも、自社がどの領域で、どのタイミングで戦おうとしているのかしっかりと知る必要があります。その次に、組織・人・設備・情報システムのそれぞれについて、どの領域、どのタイミングで活用するのかを明確にしていく必要があります。

対象とする領域とタイミングを十分知り尽くさなければ、組織・人・設備・情報システムは、バラバラにしか機能せず、全体最適にはならないと思います。

例えば、そのシステムが対象とする領域やタイミングが、世界なのか国内なのか、２４時間なのが８時間なのか。

これらによって、セキュリティ／アーキテクチャや可用性に求められる要求が、かなり違ってきます。

これを見誤り間違った方向性（システム戦略）を進めば、どのように進め方（戦術）を工夫しても、補えないのです。

”戦略の失敗は、戦術では補えない。”

そこで、メリット・デメリットを良く考え、動向を知り見える化し、対象領域を絞込み、試行して過不足を計る必要があります。

アンケートや試供品、シミュレーションは、このためです。

今後、様々な実績／予測データを使ったシミュレーションは、重要な役割を持つようになると思います。

特にグローバル（千里）で戦わなければならないのであれば、このような情報収集・分析活動は必須ですね。

これは、けっしてグローバル企業だけのことではなく、個人であってもこのような情報収集・分析活動が可能で、千里離れた場所と時間でも戦えるのがインターネットの世界。